あやかし砂絵 都筑 道夫


光文社時代小説文庫

張形心中・・・・とんだダイイングメッセージ
判じ物の引札を創作発行している大黒屋勘兵衛の妾お福が、張形を握りあいくちで殺され、覗きをしていたアラクマが捕まった。センセーの登場。実はお福にちょっかいをだしたい弱虫が、人を使って脅したところ、間違って殺してしまった。勘兵衛は歳で張形を使う身、お福は操を最後までたてたあかしに張形を握っていたのだ。

夜鷹ころし・・・・切り裂きジャック
切り裂きジャックを思わせるほど、次々と起こる夜鷹殺し。野乞食の人物から、浮かび上がるためには別の人物になるしかないと決めた女が、別人を仕立て、自分は殺されたと見せ、自分を知る夜鷹を次々に殺していった。

不動の滝・・・・人間消失
不動の滝で水浴びをしていたお節が消えた。実は昔の知り合いに会い、旦那に内緒で助けようと、下女が向こうを向いている間にすりぬけた。しかし間に立った男が悪く、しかもそれを、子供が出来ないとぼやく亭主に利用されて・・・・。

首提灯・・・・みんなが嘘
けちな強請を業としていた勘五郎の首が白旗稲荷の賽銭箱に乗せられ、胴は別のところに捨てられた。強請られていた者、陰で勘五郎を操っていた者、関係者がそれぞれに少しづつ嘘をついたから、事件はこんがらがった。

人食い屏風・・・・絵のなから飛び出した虎が人を食い殺す
これは傑作。同じ時期に二人の画家が、自分の描いた絵の中から飛び出た虎に食い殺された。実は一方は「舌の描き方がおかしい」と指摘された画家の自殺、その名誉を守ろうとした妹が食い殺されたように見せかけ、さらに鬼になって指摘したもう一方の画家を殺した。

寝小便小町・・・・気がついたら情事の相手は殺されていて
清太郎が悪の長次に紹介された女は最高だった。しかし事が終わった後、一時気を失い、気がつくと女は首を絞められ、あいくちで刺されて死んでいた。その供養料と長次が清太郎を強請る。センセーが調べると女は寝小便小町というお目見え悪、しかし相棒はすでに殺されていた。実は女は清太郎と兄妹と知り、我が身を恥じて自殺したのだった。悪くないが自分で自分の首を絞めて死ぬことは出来ないように思った。

あぶな絵もどき・・・・情事の最中にカミソリでざっくり
水茶屋の女が三人、後家が二人に師匠が一人、エッチな言葉の書き付けを配られて大弱り。そして書いた張本人の文次郎が喉を切られて死体となって・・・・。実は水茶屋の女が人気のある同輩を陥れようとうった芝居・・・・。