朝日文庫 HOW TO WRITE BEST SELLING FICTION 大出 健 訳
この種の書は何冊か読んだか、大抵は途中で飽きてしまったり、成功談だけに終わっているものが多い。本書は作者が「この本の読者に損はさせない。」と公言しているように、中で群を抜いて説得力があり、かつ面白いと思う。ポイントを抜き書き形式で記す。
・平均的な読者が求める八つの要素
1 しっかりしたプロット 2 見せ場が多いこと
3 ヒーローかヒロイン、あるいはその両方が登場する事
4 変化と想像力に富み、しかも説得力のある描写
5 明確で自然な登場人物の動き 6 綿密な背景描写
7 わかりやすい文章
8 多少のリリシズムと強烈な印象のイメージを豊富に盛り込んだ文体(27p)
・作品に不滅の生命を与えるのは読者だ・・・エリート批評家ではない。(31p)
・読者を楽しませるに書くときは、多数の人を満足させるために書いていることになる。(33p)
・「ミステリー作家」、「ロマンス作家」、「ウエスタン作家」ではなく、単に作家として確立するよう、新人作家諸君にすすめる。(65p)
・プロットは小説の最大必要条件だ。(76p)
・外部からの情報に全面的に頼ったプロットが、味気なく冷たい者になるのは、作家がそれに深く関わっていないからだ。(79p)
・登場人物ふたりを設定して対話をさせてみよう。(死、信仰、戦争、貞節、名誉、愛・・・)(103p)
・読者が急いで本を選ぶ・・・
1 作家の名前、出来れば知った作家を選ぶ 2 小説の種類 3 表紙
4 表紙に書かれた宣伝文句 5 第一ページにざっと目を通す
・・・・編集者を向こうに回しても、与えられたチャンスは三ページ(107p)
・予告の文章は、作家の一方的な押しつけでは成立しえない。(151p)
・相つぐ困難によって主人公をおいつめよ。(153p)
・結末が面白くなければ失敗作と見なされる
1 それが唯一の必然的なプロットでない限り、主人公を戦いに敗れさせてはならない
2 略
3 主人公がどうやって問題を解決するか決まらないうちは、小説を書き出してはいけない
4 終わりに近づいたら小説のスピードをあげたまえ 5 略(163p)
・緊迫感を出すための二つのテクニック
1 文章や段落を普通より短くする 2 時間的ずれ(185p)
・もっとも一般的な動機・・・愛情、好奇心、自己防衛、金銭的欲望、事故再認識、義務、復讐(主人公の動機づけの筆頭に持ち出さない方がベター)(217p)
・地理的、文化的背景はエキゾチックな方が効果的(233p)
・背景の材料を詰め込みすぎないように注意すべし(240p)
・現実の会話、小説の会話(248p)
・ミステリーにおける十五の注意事項(290p)
1第一章で犯罪がおこっているか。 2主人公は第一章で登場するか。 3主人公には捜査に乗り出す動機があるか 4 登場する犯罪は、凶悪な犯罪か 5殺しの方法や死体の発見は斬新か。 6第二章までに容疑者を登場させているか 7第三章までに第二の容疑者が登場するか 8犯人割り出しのための、道理にかなった手がかりは残してあるか。9真犯人は誰かという期待感で緊張を生み出せ 10主人公を捜査の壁に突き当たらせよ 11警察や鑑識の捜査手続きは本格的か
12たなぼた式解決法は最悪だ 13犯人の正体は最後まで明かすな 14犯人の正体暴露は事件を通じて行え 15無駄な捜査や尋問をなくせ
・作家・・・怠け者には向かない、手抜き作品を買う人はいない。(307p)
・出版社はすべて尋ねろ(316p)