人の話なんか聞くな  堀場雅夫

著者は堀場雅夫、堀場製作所会長である。1924年京都生まれ、1945年京大理学部在学中に堀場無線研究所を創業、高精度のPHメーターの開発に成功し、1953年に堀場製作所を設立した。全社一丸となって研究開発型のベンチャーのモデルともいえる企業を作り上げた。1971年に堀場製作所は1部上場を果たした。

四季報によれば資本金1005億、年間売上が連結で800億程度のなかなか好調な会社である。血球計数装置が海外で好調、大型自動車排ガス装置の需要は一巡などとある。

この本は書店で見て、タイトルが気に入りかってしまった。つまり私自身がこう感じているからである。

ただ著者はこのタイトルを100%守れ、と言っているわけではない。

「私は人の話は今でもよく聞いている。ただ、聞いた話をそのまま実行することはない。それが「ええ話やな」と思ったら、一たん自分の中に取り込んで、自分のものにしてからじっこうしているのだ。」(15P)がよくそれを表す。

さらに突っ込んで「相手を話し上手にさせるのが、これからの時代の聞き上手。」とする。

もちろん、この本は現役の社員に向けて書いたものである。しかし本当に「人の話なんか聞くな」精神は定年後の私たちにこそ当てはまるものと思う。もう会社みたいな後ろ盾になってくれるものはない、援助してくれるものもない、すべて自己責任の世界である。人の話は参考にするだけで、すべては自分で判断し自分で行動しなければならない。

それは仕事、株、など金の話のみならず、生き方そのものにかかる、と考える。親族も友人もない、最後は頼れるのは自分だけ、そしてもちろん、死ぬときは自分ひとり!