講談社(コミックス)
来年、長野県の山奥にある悲恋湖に高級リゾート村がオープンする。いとこのの橘川茂が抽選で当たり、モニターとして招待されることになったが、都合で行けなくなり、おれ(金田一少年)は美雪と共に出かける。
パーテイ気分のおれたちに近くの刑務所から凶悪犯脱獄のニュースが不安の陰を落とす。そして突然無惨に顔面を切り刻まれたモニターの一人倉田壮一の死体が発見された。
殺人鬼「ジェイスン」の手口にそっくり。しかも村の唯一の脱出口のつり橋が焼かれてしまった。さらに香山三郎や画家の小林星二が同じ手口で殺され、美雪は襲われて重傷を負い、オーナーの息子であることを告白した遠野英治は、金田一少年の変わりに湖の向こうにあるホテルに電話をかけに行き、同じような死体となって帰ってきた。このころになって実は今回参加したモニターには多額の賞金が出る、脱獄犯がここまで来るのは大変、冷蔵庫の中の食物に手が着けられていないなどから、金田一少年は内部犯行説を確信する。
クールでどこかニヒル、終わったら事件をタネに推理小説を書こうなどとほざくいつき陽介が犯人を推測するが決め手がない。美雪の重傷で一度は捜査を断念しかかった金田一少年が、ふたたび立ち、被害者が3年前の三積ヶ浦でのタンカーと豪華客船の衝突事故でつながれていることを発見、この犯罪が巧妙に仕組まれた物と考え、偽の情報を流して罠をはる。そこに早速殺人鬼が飛び込み・・・・。
カルネアデスの板・・・・難破船から脱出するとき人を見殺しにすることは許されるか、法的には緊急避難として許されるが、復讐劇を生む場合もある。
脱獄の報が実は見せかけ、ステレオに隠されたテープレコーダで犯人は何か事件にかこつけて破壊する必要があった、ボートで戻ってきたのは遠野ではなく、実はツアーに参加できなかった橘川であったなどはなるほどと頷かせる。西村京太郎の「殺しの双曲線」を思い出した。