かまいたち          宮部 みゆき


新潮文庫

かまいたち
江戸ではかまいたちと呼ばれる辻きりが跋扈していた。八辻が原町医者の玄庵の娘おようは遅くなった父を迎えに行く途中、辻きりにあい、かまいたちらしい男の顔を見てしまう。そして隣に越してきた新吉がその男であり、しかも「口出し無用」と囁かれ、すくんでしまう。ところが平太に呼び出され追いつめられたおようを助けてくれたのは以外にも新吉・・・。
話はかなり複雑で省略するが、切迫感のある文章と怖さにおののくおようの様子の記述がうまい、と思った。
・せんそである。ヒキガエルから作る高価な秘薬で、強心、鎮痛と何にでも効く。ただ一つ気をつけなければならないのは恐ろしく目にしみると言うことで・・・(81p)
師走の客
男は千住の旅籠「梅屋」に毎年宿代変わりに金で作った干支の置物をおいていった。そしてある歳、少し大きめの蛇を持ってきて十両を払わされた。しかし気がつくと今まで受け取ったものが、すべてまがい物と入れ替えられていた。さては詐欺にあったかと心配したが、犬がその蛇を飲み込んでいた・・・・。
迷い鳩
超能力のある「姉妹屋」のお初が見通す、大店「柏屋」の女将による亭主毒殺劇。毒殺を会津絵蝋燭にしこんだ砒素によるところが面白い。
騒ぐ刀
刀鍛冶の怨念のしみこんだ鍔のない刀が、人を自由にあやつり、引き起こす殺人劇。