怪盗紳士の殺人


講談社(コミックス)

 怪盗紳士は、絵を盗む前に図々しくも挑戦状を出すのだが、今度は青森に住む有名な画家蒲生剛三のもとに挑戦状、是非一緒に来て欲しいと剣持警部に頼まれ、金田一少年が、美雪と共に出かける。
 広大な館には蒲生の他付き添い医師の梅津里見、甥の天文学者、雑誌記者、画商、売れない画家、ジャーナリストなどが起居しているが、なにより驚かせたのは蒲生の最愛の娘和泉さくらがつい最近金田一少年の不動高校から越してきたばかりの生徒だったことだ。
 茶番の窃盗事件があった後、あの名作「我が最愛の娘」が怪盗に奪われ、和泉がおそわれ、髪を切られてしまう。続いて滝の絵をバックにした梅津の絵が奪われ、梅津が絵そっくりの形で殺されてしまった。
 さらに金田一少年に「殺される、ラヴェンダー荘だ。」と蒲生画伯のせっぱ詰まった電話に続き、悲鳴。ラヴェンダー荘は川のむこう、5分はかかる。あわてて駆けつけると惨殺されていた。しかし蒲生を除く全員が本屋の方にいたはずだが・・・・。

 実は盗まれた「我が最愛の娘」は複製画と知ると、金田一少年は「本物の隠されている場所は分かっている。犯人はそれを盗みに再度あらわれる。」と罠をはる。あらわれたのは同行のジャーナリスト、しかし「私は殺しや人の髪の毛を切るようなことはしない。」との言葉を残し、絵と共にバルーンで去って行く。
 金田一少年は殺人犯は別にいる、怪盗紳士の出現に便乗して殺人を行った、と考える。ラヴェンダー荘の殺人は、被害者が目をつぶされていたため、ラヴェンダーのにおいで判断して、ラヴェンダー荘だと言ったもので犯行は本屋。そして「我が最愛の娘」の背景に描かれた南十字星から絵は南の島で絵が描かれたもので、蒲生の作品ではない、と判断し、背景にある事件を探り出す。
 蒲生には有能なゴーストライターがいた。その作品を梅津の助けで蒲生の名で売り出し成功した。しかしゴーストライターが自分の権利を主張したため、彼を殺してしまった。犯人は彼の娘で怪盗紳士をかたった復讐劇だったことが判明する。

 怪盗紳士を語った復讐劇というところが面白い。怪盗紳士が、黒いバルーンで逃げ出すなど今回は若干コミック風。

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