講談社(コミックス)
警視総監賞をもらいそこねた金田一に、オッサンこと剣持警部が見せたのは、脅迫状在中と書かれた小包、中には捻れたマリオネット人形。手紙に「北海道死骨ヶ原を通る列車に魔法をかけた。死の恐怖と魔術を堪能されたし。 地獄の傀儡師。」金田一少年は美雪、剣持等と函館・旭川経由死骨ヶ原行き寝台特急「銀流星」1号に乗る。この列車は鉄道会社のサービスで「幻想魔術団」が魔術を楽しませてくれるという。
魔術を楽しんでいると、金田一少年に電話で「そろそろ爆弾が爆発する時刻」との電話。テーブルの上の薔薇の花に続いて、列車が爆発した。皆が列車に戻ると、コンパートメントにまっ赤な薔薇で埋め尽くされた黒づくめの男、魔術団を率いるジェントル山神の惨殺死体。そして爆発に恐れをなし、皆が消えるとパンパンパンの音。あわてて戻ると、死体が消えていた。そして死骨ヶ原。山神の部屋には、首や手足の関節をバラバラに切り離され、それぞれが紐でつなぎ合わされた、ねじれたマリオネットさながらの無惨な死体。そしてお次は、次期団長を気取っていたノーブル由良間の無惨な刺殺死体。金田一少年が、美雪を餌に誘い出され、底なし沼で死の一歩手前まで至る間に、団員山神夕海の絞殺死体。
事件は、3年前に起こった団長近宮玲子の死に発していた。天才マジシアン近宮のすべてを書いたノートを奪い、団を取り仕切ろうと考えた山神等4人組は、彼女を事故に見せ掛けて殺したのだった。しかし彼女が愛した少年が真実を求めて立ち上がり、ついに復讐の機会を得た。魔術団ではただ一人生き残った左近が団長におさまり、公開ショーを行うが、近宮の怨念に脱出するべきボールに早めに火が回る・・・・。
この作品から原案に天樹征丸が加わり、作品に新味がでた。全体、島田荘司の「奇想、天を動かす」を思わせる作品。
人形の顔と風船の胴体で作った死体の一瞬の消失、トランクに詰めたバラバラ死体を向かいに停車していた輸送トレインで輸送、夕海の部屋からシーソーを使って抜け出す手口、リンを塗った脱出用ボールのシャンデリアの熱による自然発火、などが斬新である。
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