講談社(コミックス)
幼なじみのますみは、いまやファッション界に君臨するキミサワレデイズの売れっ子モデル。しかし彼女は、恐喝しようとしたヒロシを殺してしまう。そのことを知らぬまま招待された金田一少年は、美雪と共に、キミサワブランドと六条ブランドが正面から対決するブライダルコンペテイションに。場所は長野県にある仏蘭西館。
早くもキミサワ事務所にはフランス銀貨のついたウエデイングドレスが送られ怪しげな雰囲気。いよいよパーテイ、乾杯の声と共に、突然キミサワレデイズ鳥沢奈穂子のワインを飲んだ六条ブランド社長六条光彦が血をはいて絶命する。毒殺だった。
フランスから来た気障な探偵の挑戦をうけて、金田一少年が立つ。ますみの元には葬送銀貨を名乗る謎の人物から「もう一度奈穂子を殺せ!」の脅迫電話。主を失った六条ブランドと、何者かに衣装をずたずたにされたキミシマブランドが必死の攻防を繰り返す中、今度はキミサワブランド副社長犬飼要介が毒殺される。関係者全員、会場にいたにも関わらず、殺害現場にグラスは二つ、一方にはまだ飲みかけのワインが残っている。しかも部屋のプレートの文字までが消えている。ついでますみが葬送銀貨に呼び出されて襲われる。気がついたときには、そばに霧山小夜子の死体、側に一つしかない部屋の鍵、手には銃。その上彼女は部屋に入ってきたキミサワ社長まで撃ってしまう。しかし逮捕されたますみから事情を聞いた金田一少年は、ますみを動かした陰の人物葬送銀貨を倒すことを誓う。
金田一少年たちは、キミサワ社長重体の噂をながし、生命維持装置をはずそうと忍び込んだ犯人を捕らえた。犯人は、ますみと同じ様な性質、同じような行動体系をとる女性だったために、彼女の動きがすべて分かった。自分は今までキミサワ社長のゴーストとして働いてきたが、どうやら社長は私を使い捨てにし、犬飼と組むらしい。やられる前にやれ。そのためにますみの弱みを握り、ますみを思い通りに動かせ!
犬飼殺しは、遠隔操作殺人がポイント。飲みかけのグラスと毒入りグラスを用意し、犬飼を呼び出す、外から電話で「ワインでも飲んで待っていて!」と電話、犬飼は一方が飲みかけだから毒入りの方にワインを注いで飲む、と言う物。
小夜子殺しは密室がポイント。小夜子の部屋のスペアキーを借りだし、自分の部屋のキーのキーホルダーをはずして入れ替え、小夜子のスペアキーとしてフロントに返す。こうして自由に小夜子の部屋に出入り出来るようになった。(犯行まで自分の部屋はどうしておいたのだろう。使う度にスペアキーを借りだしたか、あるいは開け放しだったか?)
「高層の死角」(森村誠一)「ヘアデザイナー殺人事件」(山村美紗)などに似たトリックが用いられている。
サイズを正確にはかると驚くほどピッタリ合う洋服が作られる。そのデータの入れ間違いが、犯人逮捕の決めてとなるのだが、この辺も面白い。華やかなファッション界を舞台に、親子の情などもからめ、シリーズの中でも傑作のひとつに入る作品と思う。
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