雪夜叉伝説殺人事件


講談社(コミック)

 北海道大雪山にある背氷村。夏は避暑地としてもにぎわうも、冬は吹雪によってすべての交通が遮断され陸の孤島となる。この冬休み、ひょんなことからTV局のバイトをすることになった金田一少年は、当地で行われるどっきりカメラの取材に同行する。
 開拓時代の悲劇に基を発する雪夜叉伝説がある怖ろしい土地。山荘はけわしい谷川を挟んで真向かいに建っている。二つの山荘をつなぐ吊り橋が大水で流され、移動には上流の橋を使わねばならぬから20分かかかるという。別館で撮影を終えた後、女優の加納りえと姿の見あたらぬ明石を残して、一行は向いの本館に移動。ところが本館のモニターから別館の加納を見ていると、突然雪夜叉があらわれ加納を惨殺、モニターを手で隠して退場。全員アリバイがあるから、いなくなった明石が犯人かと考えられたが、彼は雪だるまのなかなら死体となって発見された。
 この不可能犯罪に東京から来たエリート警視明石と金田一少年が臨む。皆が見ていたモニターは、あらかじめ作ったビデオだった。それならだれかが先回りして加納を惨殺でき可能性があったかのか。明石は荷物用ロープウエイによる移動を提案するが、発電器の運転時間が制限されていたことから不可能と分かる。
 そして比留田デイレクターの殺害。根本にあるものを調べていた金田一少年は、十年前の航空機の事故で、殺された三人のTV関係者が氷室画伯を救った事件を発見した。すると明石は、山荘にいる氷室画伯を偽物と断定、4人は氷室画伯の財産乗っ取りを考えたが、内部分裂で偽の氷室が残り3人を殺したと告発。証拠は左利きと右利きの写真の区別という。そして都合良く、ワープロ遺書を残し、青酸カリを嚥下した氷室の死体が発見され、事件は一件落着と思われた。
 しかし金田一少年は、自分や炭焼き小屋の爺さんがみた鬼火に注目、氷の橋を作って移動した犯人のトリックを暴く。橋は車の重さにも耐えるが、ガソリンをかけて火をつければ素材の藁が燃え、一瞬にして消滅する。犯行を暴露された犯人のつぶやき・・・航空機事故のおり、氷室画伯の財産乗っ取りにうつつを抜かし、母さんを見殺しにした憎い4人組め!。

 この作品もさながらトリックと特殊殺人の見せ物ショウみたいな感じだが、好奇心を満たすという点ではなかなかのもの。特に氷の橋の話が面白いと感じた。

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