首吊り学園殺人事件


講談社(コミックス)

 有名大学に入ることに決心した金田一少年は、名門予備校四ノ倉学園に入学する。しかし森宇多子なる女生徒の自殺さわぎ、鶏の死体で汚された答案用紙の出現、荒らされた花壇など不吉な事件が相次ぐ。そして古谷直樹がとうとう首吊り死体となり、「恨みの子守歌を聞け」の貼り紙と共に、ぼーやはよい子だ、と死者を弔うように不吉なメロデイが流れる。現場は、ほぼ完全な密室、そして浅野先生が気を失って倒れていたことから、先生に疑いの目が向く。
 金田一少年の調査で、この学園がかって戦犯収容所として使われていたこと、そのたたりか、ここ数年自殺者が相次ぎ首吊り学園と呼ばれていたこと、つい最近も深町充という男の子が自殺したが彼は死んだ古谷や室井の陰湿ないじめに遭っていた事が明らかになる。さらに室井の首吊り死体が、発見され、ついに浅野先生が逮捕される。しかし室井が殺された時間に先生にアリバイがあったことから疑いが晴れ、釈放される。
 古谷が殺された部屋の外で、密室劇を演ずるために使われたらしい人形が発見された事から、他殺に見せ掛けた自殺との判断が下される。そしてそれを裏付けるように、仁藤伸幸の首吊り死体と遺書が見つかり、事件は一件落着と思われた。
 しかし深町の写真に写っていた夜開く朝顔から、金田一少年は疑問をいだく。これは犯人の巧妙な罠だ!そして関係者に、警察と犯人しか知り得ない質問をふくませた模擬試験を実施し、真犯人をあぶり出す。
 マークシートの同一性を利用したトリックが面白い。席をばらばらにし、1時間目に、ある生徒だけ2時間目の問題を配り、答えさせると、その生徒は2時間目のテストに出席したことになる、と言う物。これを裏付ける証拠に、証拠にカンニングした生徒のマークシートを持ち出すところは傑作。またクリステイの小説など見られる手口だが、一度自分を疑わせておき、釈放されると周囲から容疑者として見られなくなる、という特徴を利用したトリックも面白い。

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