講談社(コミックス)
飛騨くちなし村の巽紫乃という女性から、オッサンこと剣持警部に「最近首狩り武者と名乗る者から脅迫を受けている。」との手紙が届き、金田一少年と美雪が行く。
紫乃の話によると、彼女は後妻で、連れ子の征丸がおり、先妻の子には龍之介、もえぎ、様子のおかしい隼人の三人の子がいる。ところが当主蔵之介が他界、遺書を開封したところ、全財産と家督を征丸に与えるとあって、龍之介たちがよそ者を殺すと騒ぎ立てている、犯人は龍之介にちがいないということだ。
首狩り族らしい鎧武者の出現、龍之介と征丸の争い、龍之助を激しくしかる紫之。そして紫之の客人で顔を布で覆った気味悪い赤沼三郎が現れ、手前が閂、奧に木製回転ドアのついている「あわせ扉の間」にとまる。一夜あけるとそこには赤沼三郎の首無し死体!発見時厳重に鍵がかかっていたから、犯人はどうやって密室から消えたのか。そして征丸が行方不明。犯人は彼か。
霧の中で美雪が、そして金田一少年が襲われる。気がつくと生首神社の洞窟の中。首狩り武者が二人に征丸と赤沼三郎の首を見せ、この村の者への復讐を語る。冬木教授の口から語られるくちなし村の歴史。関ヶ原の合戦の落ち武者桂兼春がこの地に来たが、彼らは兼春の首を取って徳川に帰順をちかいこの村に住みついた。しかし兼春のたたりか、以後村ではしばしば首無し死体があらわれる・・・・。
剣持警部は犯人は、赤沼の殺された密室格子窓から峡谷の向こうにロープをかけて脱出したと考え、使用人で軽業の心得のある仙田猿彦を犯人と指摘する。猿彦が銃の暴発で死に事件は一件落着、「よそ者はでていけ!」の声に押されて金田一少年たちは村を去りかける。しかし回転ドアで密室の謎を解き、猿彦が高所恐怖症だったこと、猿彦をのぞいて全員が銃が鉛で弾殺しをしてあったことに気づいた金田一は急遽くちなし村に戻る。村では龍之介がまさに当主の座につこうとしていた。
「赤沼三郎などもともといなかった。」「血液型から紫乃の子は龍乃介である。紫乃は龍の介の家督相続を狙ってこの事件を引き起こした。仙田猿彦を仲間に引き入れ、二人で征丸を殺害、死体をあるときは首なし死体に、ある時は征丸の死を確認させるため金田一に首を見せたのだ。紫乃は最後に撃てば暴発する銃を使って仙田も処分した。」泣き崩れる紫乃の口から、昔の病院での嬰児交換が語られる・・・。
まさに横溝正史の世界ですな。おどろおどろしい田舎の村社会が良く描かれている。
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