コリア驚いた!韓国から見たニッポン    イ・ウオンボク 

    
朝日出版社

韓国人である著者が韓国人を対象として書いたマンガによる日本人論である。われわれ日本人から見ると、反論したくなるところもあるが、全体としては出来るだけ公正にものを見ようとし、視点も知識の幅も広く非常によくかけており、日本人にも大変参考になる作品と感じた。
日本が成功した理由として7つあげている。各項目をよく考えると、成功した要素の内の一つを捉えたものが多く、また必ずしもそうとは言い切れない感じのものも見受けられる。しかしこういう見方もあるのか、と気づかされる所も多い。
1世界の最高品質…・完璧を追求する
2勤勉・節約・貯蓄する国民
3エリート官僚…・我々が日本をリードする
4規格製品・大量生産…・価格で世界市場を攻略する
5三位一体…・政・官・財の協議
6会社は家庭…・特殊な雇用制度・年功序列・終身雇用
7いいとことろは進んで取り入れる。
これに対し、現代日本の苦悩として以下の七つをあげている
1世界最高の品質…しかしコストが高すぎる
2貯蓄する国民…しかしお金がまわらない
3エリート官僚…我々は日本をリードする…・しかし企業の足を引っ張る官僚主義
4規格製品・大量生産…・しかし今は多品種少量生産時代
5政・官・財の協議…・しかし不正・腐敗の悪循環となる
6会社は家庭…・しかし労働市場が硬直化する
7いいとこ取り…・いいところは進んで取り入れる…・しかし創造性に欠ける
最後の「日本はどこへ行くのか?(第二の開国を目前にして)」で、旧来の日本を制度と考え方において途上国である、それが時代の流れと共にいやおうなく先進国型に変身しようとしている、と断定する。そして途上国(従来の日本)と先進国(欧米)のそれを比較しているが、日本人同志の世代の差を表しているようでもあり、興味深かった。以下にその論点を掲げるが、ハテナ=は私の感想やら、ぶつぶつやら。
途上国(従来の日本)=よい品質の製品を安く売る
先進国(欧米)=よい品質の製品を高く売る。
ハテナ=それだけでは利益が少ないから、従来型も守ろうとしたら空洞化
途=規格製品を大量生産し、薄利多売にする
先=世界最高の製品を少量生産し有名ブランド化し、高価格にて高収益をあげる。
ハテナ=そうともいえない。
途=倹約・勤勉を守り稼いだお金は貯蓄する
先=勤勉、倹約だが稼いだお金は人生を楽しむために使う。
ハテナ=そのように変わってきている。
途=官僚主義が強く、国民を啓蒙、指導しようとし規制は企業の足をひっぱる。
先=官僚主義は存在するものの、国民に対するサービス意識に満ちている。
ハテナ=先進国だって官僚はいばっている。フランスなど。
途=行政指導・天下りが多い。
先=企業の自己責任による活動。国は細かく干渉しない。
ハテナ=これは現在日本が懸命に取り組んでいる。
途=政・官・財の癒着で汚職事件が多い。
先=政治は透明清潔で、政・財の癒着は少ない。
ハテナ=先進国の記述は嘘でしょう。それならいいけど。
途=会社は家庭的で、社員は家族であるという人間的な関係を重視する。
先=会社は職場で公と私を分ける。
ハテナ=おかげでなんとなく社会がギスギスしてきた。
途=年功序列、終身雇用などで労働市場に弾力性がない
先=能力中心・競争主義で景気の流れによって雇用が増減する。
ハテナ=失業率の増大をどうしてくれる。
途=外国のものを模倣したり手を加える
先=創造力を重視するので新しさを求め斬新なアイデアを高く評価する
ハテナ=模倣してさらによい製品を作れるならそれはそれで立派。
途=形式と手順、伝統に縛られる
先=形式や手順より内容を、伝統よりは実用性を重視する。
ハテナ=だんだんその傾向になっているが、役所の手続きはこまったもの。
途=画一的な教育で国民を平準化させる
先=多様な教育で他人との違いを大事にし個性をのばす。
ハテナ=おかげで子供の基礎学力低下。
ただこれまでの分析は良くできていると思うが、今後日本がどうするかについては、日本人の問題と投げ出している感じがする。しかしこの問題は日本の後を追いかけてきた韓国にもすっぽり当てはまるような気がする。
011211