夏の夜の夢・あらし シェイクスピア


新潮文庫 福田 恒存訳

夏の夜の夢
第一幕 二場

アセンズの大公シーシアスはアマゾン族の女王ヒポリタとの結婚をひかえ、わくわくしている。そこにイジアスが娘のハーミアと彼女の婚約者デメトリアス、彼女の意中の人ライサンダーを連れてやってくる。父親はデメトリアスとの結婚を主張するが、娘の気持はライサンダー、デメトリアスにはヘレナという女性が恋しており、議論はなかなか収まらない。若い連中はアセンズを抜け出し、森の中の家で暮らそうと約束する。
一方大工のピーター・クインスの家では殿様の結婚式の夜、御前でやる狂言の準備で忙しい。出し物はピラマスとシスビーの世にもむごき死を扱ったもので、ピラマス役に機屋のボトム、シスビー役にオルガン修繕屋のフルートなどを割り当てる。
第二幕 二場
アセンズ公の森では妖精の王様オーベロンがお妃タイターニアに可愛がっている小姓の一人をよこせと迫っているがお妃はがんとして承知しない。怒ったオーベロンはいたずら妖精バックにお妃の瞼に、目が覚めたとき最初に見たものをなんでも好きになってしまうほれ薬をたらせと命じる。またデメトリアスを慕うヘレナの様子を見てあの若者にもほれ薬をつけろと命じる。
ところがバックは暗闇ゆえに間違えてライサンダーの目にほれ薬をたらす。目が覚めるとヘレナにあったから大変、さっそくそちらが好きになってしまった。
第三幕 二場
ボトム等が槲の木の下で狂言の練習。ところがバックがボトムにロバの皮をかぶせてしまったから皆はびっくり、逃げ出してしまった。そこに目をさましたタイターニアが出てきてほれてしまう。
オーベロンは妃が化け物に血道を上げていると聞いて満足するが、デメトリアスがヘレナ恋しさにハーミアを袖にしている事実を知りびっくり仰天。ヘレナはデメトリアスとライサンダー二人に言い寄られるがからかわれているとかえって憤慨。ハーミアは絶望。ついにデメトリアスとライサンダーは決闘をしようということになる。
結局四人を眠らせ、ほれ薬の魔力を取り去ることにする。
第四幕 二場
タイターニアがロバ面のボトムに惚れていると知ってオーベロンは同情し、こちらも眠らせて魔力を取り去る。ついでにボトムのロバの面を取ってやる。オーベロンとタイターニアの関係が元に戻ったところに、魔術を解かれたハーミアとライサンダー、ヘレナとデメトリアスが登場する。みんな夢を見ていたのだ、という事になる。
ボトムがロバになって困っていた職人仲間にも、元に戻ったボトムが戻ってきた。これで狂言はばっちりだ。
第五幕 二場
シーシアスの宮殿、大広間であの役者たちの狂言が披露される。「ピラマスがシスビーと恋を語ろうとするが石垣が邪魔で思うように行かぬ。そこでマイナスの墓地で愛を語ることにした。しかしシスビーがライオンに襲われてさあ、大変!」というようなどたばた劇。最後は妖精たちの歌と踊りで締めくくられる。馬鹿馬鹿しいが皆それなりに満足?

プロットの良さは認めるにしても、なんだか甘ったるいだけのお菓子みたいだな、と感じた。訳者の解題を見てなるほどと思った。結婚式の余興用に作られた作品なのだそうだ。

あらし
第一幕二場

ナポリ王アロンゾーとその関係者の船が嵐にあい遭難する。荒れる海を前に、ある島でかってのミラノ公プロスペローはその娘ミランダに二人がこの島にきたいきさつを語る。研究のみの没頭していたプロスペローはいつのまにか弟のアントーニオーに権力を握られた。彼はアロンゾーの協力を得て、ある日王と娘を捕らえ、ボロ船に乗せて海に流した。二人は漸くにしてこの島に着いたというわけだ。さらに王は今は奴隷となっている醜い怪物キャリバン等から妖術を学んだ、この嵐を妖精エーリアルに起こさせ、船を難破させ、人々をみなこの近くの島に漂着させた、と語る。一人漂着したナポリ王の息子ファーデイナンドがエーリアルの歌に惹かれて、プロスペロー、ミランダの前に現れ、ミランダに一目ぼれしてしまう。
第二幕二場
漂着したナポリ王の重臣たちの口から、彼らが王の妹クラリペン姫をチュニスの王に娶わせての帰りに遭難にあったと分かる。ナポリ王の弟セバスチャンにアントーニオーは、王子はまちがいなく亡くなったろうから、腑抜けのようになったアロンゾーを追い出し、あなたが王位につくべきだ、とそそのかす。王を襲いかけるが失敗。第二幕ではプロスペローに抑えられ薪広いなどをしているキャリバンが登場、漂着したナポリ王道化トリンキュロー、酔漢のまかない方ステファノーにあい、すっかり意気投合、ステファノーの家来になってしまう。
第三幕三場
プロスペローに薪運びを命ぜられたファーデイナンドとミランダがすっかり意気投合、岩屋のプロスペローもまんざらではない。キャリバンにたきつけられたステファノー、トリンキュローは、プロスペローの眠っている間に魔法の本を奪い、たたき殺そうと準備する。そうなればステファノーが王様というわけだ。アロンゾー、アントーニオ等はファーデイナンドを探すが見つからず、ひとまず食事にしようとする。ところがそこに雷鳴。プロスペローの命令で怪獣ハービーの姿をしたエーリアルがあらわれ、卓上の食べ物を消し、プロスペローとその娘ミランダを追い出した罪を非難する。これを聞いてアロンゾーはわが息子は改定の泥に埋もれているに違いない、と狂う。
第四幕一場
プロスペローがファーデイナンドとミランダの婚約を許し、妖精たちがそれを祝福する。キャリバンが裏切ったことをプロスペローは知っており、エーリアルに命じて彼らを沼地に誘い込む。やっとでてくると今度は木につるしたボロで彼らをたぶらかし、さらに了見たちをけしかけて彼らを追う。
第五幕一場
ファーデイナンドとミランダの婚約で、おおらかになったのか、プロスペローはアロンゾー、アントーニオ等を許すことにし、彼らを術をかけたまま、エーリアルにつれてこさせる。次第に夢から放たれる彼ら、プロスペローをみて驚くが、若い二人の婚約を知り喜ぶ。ナポリ王が奪い取った土地を返し、プロスペローが復位する、二人の結婚をナポリで祝う等の話が決まる。妖術をとかれた水夫たちが戻ってきて船は万全と伝える。最後にキャリバン等も許されて大団円となる。エーリアルも自由になる。
エピローグ
プロスペローが妖術を捨てた、この上は領地に戻る私に拍手をとの口上で幕。


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