文春文庫
黒い満月の前夜に・・・
お父さんを殺した、と女が飛び込んで来た。家族は夫と妻と子三人に見えたが、実は親と娘とその間に出来た子が三人。娘に恋人が出来てとうとう父親を殺すことになった。この事件を契機として尊属殺人の重刑が廃止された。
哀れ女獅子の子守歌
横浜市で女の子が誘拐された。やがて誘拐した夫婦が捕まったが、妻の子に対する飽くなき希求が問題だった。子が出来ない、ところが医者から斡旋された子は不具。しばらく面倒を見たが面倒くさくなって殺してしまった。しかし誘拐された子は幸い無事だった。
魔の淵を漂った姉妹
文化住宅でセメント詰めの女の死体。最初は59歳の天理教の母、徳島で働いていた天理教の男、その妻、娘が二人の五人だった。それが死体が発見されたとき天理教の男と娘二人。生活苦に追われて転々とする内、力のない者が男に天理教式にせっかんされて殺されていったのだ。
人我を怪物と呼ぶ
荒川べりの住宅で一家4人の惨殺死体。主人は農家の長男、容疑者として上がったのは素行の悪い刑務所帰りの三男坊だった。素直だがその関心はセックスのみ、最後には局部の肉を食いたい、との欲望にまで高められていた。裁判でも全く反省のそぶりなし。素直に死刑を執行されていった。
雪の渓谷に架けた夢
塩原温泉日本閣。経営者夫妻が消え、風味屋をやっていた何かと色仕掛けの女と何の魅力もないぶら男がやってきた。彼らは、夫婦を殺したとの噂。最初は夫と色仕掛け女の関係が妻を殺した。しかし旅館が欲しい色仕掛け女は、飽きた夫も他人の手を借りて殺した。何年か前には夫も警察官から手に入れた青酸ソーダで毒殺していた。
冷血姉妹の燃えた朝
四国・松山。絶対に他人に頼るなを座右の銘とする次男は、長男、長女を誘って、多額の保険金をかけた母を交通事故を装って殺害。さらに警察への通報をおそれて長男の嫁も殺害。折から別府では未亡人を誘って保険をかけ、自動車事故を装って殺す事件がおきていた。
ソドムの市の演出者
銀行に猟銃をもって押し入り、四人を射殺させ、人質をとって立てこもった男は未明飛び込んだ警官にによって射殺された。大竹市で生まれた男は複雑な家庭環境の元、次第にぐれ、「ぶっ殺ししてやる!」が口癖だった。15の時に主婦を殺し、少年院送りになったが、成人して出所、表面的には大人しそうに見えたのだが・・・・。
銃声妖しき元麻布
29歳のエリート商社員が46歳の元華族の麻雀荘を経営する章子との良い関係が続いていた。しかし男には有力な縁談話が持ち上がった。深夜、章子と酒に酔った先輩社員と男が別れ話の相談。どうしたわけか章子は弾を込めた猟銃を用意していた。先輩社員のおせっかいな助言と侮辱に腹をたて、気がついたついたときには猟銃が暴発・・・。
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