角川文庫
全体はいろいろなものの寄せ集めだが、この世は老人が支配している、若者は親、学校などに縛られて、逼塞している、反逆を試みよ、家を出よ、ばくちをしろ、一点豪華主義に走れ、などと激しく、情動的に,詩的に若者をあじっている感じである。
この本が出たのは昭和42年(著者31歳)で、46年に映画化されている。この時代は43年の東大闘争など、日本は高度成長時代に突入しながら若者の体制への反逆が目立った時代である。この時代と現代の若者の風潮に大きな違いを感じざるを得ない。
若者、特にハイテイーンがこれを文のまま受け入れるとも思えないが、彼らにこういった気概を持ってもらいたいものである。とくに現在のように大学をでて何をすることもなく、フリーターでその日、その日をごまかして過ごしている若者が目立つ状況では・・・。
第一章 書を捨てよ、町へでよう
親との対決を鼓舞し、ハイテイーンの独立を求めている
第二章 きみもヤクザになれる
裏町紳士録が面白い。親指無宿・・・パチンコ狂い、トルコ風呂、ホステス、ストリッパー、サラリーマン・・・歩兵の思想、ガンマニア等
第三章 ハイテイーン詩集
百行書きたい,私が娼婦になったなら、などドキッとするようなものが多い。あわせて作者の15歳から30歳への歴史を述べる。
第四章 不良少年学入門
不良少年入門、家出入門、自殺学入門、歌謡曲人間入門など。
・ (米国南部では)「白人は黒人たちに自分の妻を寝取られるのではないかという不安を持っている。だから差別し、不平等に振舞うことで、かろうじて自分たちの立場を守っている。」(ノーマンメイラー)・・・・「白人」という言葉を「老人」に置きかえ、「黒人」という言葉を青年に置き換える・・・・。(19p)
・ 一たん出世したら、金がなくともヒマと友情に恵まれつつ幸福を小川の鮒のように釣り上げていた楽しかりし日を偲んでも、もはやおっつかない。(97p)
・ みどりなす黒髪ゆえに泣きあかす四十男の肉の悲しみ(石坂洋次郎)(185p)
・ 権力は必然的だが、暴力は偶発的である。わかれは必然的だが、出会いは偶然的である。そしてその偶然的な運の祝福をゲームにまで止揚して見せるのが賭博というものなのである。(193p)
・ 「今日は昨日と同じだ。いや、待てよ。もしかすると今日は本当は昨日なのかもしれない。」と思い込んでしまうような日付の喪失。それが次第に重症化されて「いや。待てよ。もしかすると、今日は本当は十年前の今日なのかもしれないぞ!」と思い込むようになったら、本当に何のために生きているのか、わからなくなってしまうのではないだろうか。(274p)
・ 自殺機械(281p)
・ 歌謡曲が私たちの時代のブルース・・・・歌謡曲の何よりの特質は「合唱できない歌」だということなのだ。(309p)