白水社シェクスピア全集X The Merry Wives of Windsor 小田島雄志訳
騎士フォールスタッフはなかなかの色好みである。ただし金がない。
そこで彼は、金持ちのウインザーの市民フォード夫人とページ夫人に同時に恋文を送りつけ、うまいこと出来ないかと考える。ところが二人の夫人が情報を交換し合って、手の内がばれてしまったからさあ、大変!
一方ページ夫妻の一人娘アン・ページは素敵な美人である。父親は治安判事のいとこで金持ちのスレンダーと結婚させようとしている。母親はフランス人医師キーズと結婚させようとしている。ところが本人は貧乏人の若い紳士フェントンと結婚したい!
フォールスタッフは夫人たちにだまされて、下着で一杯の籠に詰められてテームス河に放り込まれたり、浮気中に亭主が帰ってきたので占い師のばあさんに変装して脱出しようとし、亭主に棍棒でなられるなど散々な目に会う。
ところがこの位でへこたれないところが色男のど根性。今度は深夜ウインザーの森にご夫人たちにあうために出かける。結果、待ち構えていた子供たちふんする妖精たちにさんざんにコケにされる。
一方ページ嬢の父親と母親は、スレンダーとギーズ医師に、アンは緑あるいは白の服をきて妖精に変装して、子供たちにまぎれているから、さらって行って結婚しておしまい、と教える。ところがそれをかぎつけた若いカップルは、親の謀略の逆を行き、手に手をとって逃げ出し、結婚してしまう。緑や白の服を着た妖精は実はまったくの別人、しかも男でした!仕方なく最後は親も二人の結婚を認める・・・。
たわいない話だが、シェクスピアらしい劇だなあ、と思った。いろいろな年齢のカップルが戯れあい、そこに妖精だの、占い師だのが登場して最後はめでたし、めでたしに終わるスタイルは「真夏の世の夢」などと似ているように見える。
小田島雄志は訳文にはずいぶん苦労したらしい。シェクスピアの劇はだじゃれの類がものすごく多い。それを日本流のだじゃれに変えて訳しているが笑えぬところも多い。
020307