地獄変・偸盗     芥川 龍之介

新潮文庫


偸盗
偸盗団の一味は藤判官の屋敷を襲おうと計画していた。一味の頭領沙金は依然太郎に救われた事があってその恋人だったが、今は顔立ちの美しい次郎に引かれている。沙金は太郎を殺して次郎と一緒になろうと計画を漏らしたために一味はさんざんな目に遭う。太郎に危うい処を助けられた次郎は太郎と沙金に復讐し、京の街を去る。

地獄変
絵師良秀は、地獄変の屏風を描く為に、中空から落ちる牛車の中で苦しむ女官の表情が描けぬと申し出る。愛娘を乗せた牛車に火が掛けられ、娘の苦しむ表情に良秀は開眼したが・・・・。

藪の中
藪の中に残された男の惨殺死体を巡って、木こり、旅法師、殺したという多襄丸、多襄丸を捕らえた放免、手込めにされそうになった女、最後に死霊というように一つの事件についてみんながそれぞれの立場から証言する。一種の推理物とも云える。

六の宮の姫君
両親に死なれた貴族娘の哀れな一生を描いた物。 愛してもいない男と結婚するが、やがて男は任ぜられて陸奥に去ってしまう。