駐留軍早期撤退は共産主義の台頭によって大きくゆらいだ。アイケルバーガー中将はようやく自己中心的なマッカーサー元帥の元を去ることになった。
講和条約は4カ国会談を譲らないソ連と11カ国会議を目指す米国の妥協が成立せず、のびのびになる。昭電疑獄事件は、時の政府のみならずGHQもまた腐敗していることを明らかにした。
しかし大統領選でやぶれたマッカーサーは、本国からの忠告を言葉巧みに回避し、日本の帝王として君臨し続けようとする。3巻ではアイケルバーガー中将の目を通してのマッカーサー像が面白い。その結論は、著者のあとがきにある「占領時代に日本に食料が供与されたのも、天皇を戦争犯罪人裁判の対象外にしたのも、すべては米国政府の政策によるもので、マッカーサー元帥の「個人的な仕事」ではなかったはずだ。」に集約されているといえよう。
・第四回天皇・マッカーサー会談・・「カリフォルニア州を守るように日本を守る。」「米国の根本観念は日本の安全保障を確保することである。」(26p)
・中ソ友好条約・・・・ソビエト軍政下にある大連、旅順(69p)
・米軍が撤退した後、誰が日本を守ってくれるのか(80p)
・元帥はこれまで6回の天皇訪問に対して一度も答礼したことはなく、「個人的な好意」も示していない。(245p)
・日本の共産党は「船に乗りそこなった。」(266p)
・彼(マッカーサー)の生涯は、いわば「憎しみの生涯」だな。身近にいるものは誰でも妬みと憎しみの対象にされる。(290p)
・第一次大戦のあと、戦勝国は戦敗国に報復と憎悪で望み、戦敗国をファシズムと復讐心で立ち直らせて第二次大戦を誘った。第二次大戦後の連合国は、戦争忌避の掛け声だけしか発せず、今や戦争を回避しない共産主義が勢力を随所に定着させようとしている。(298p)
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