文春文庫
この本を読む気になったのは、坂の上の雲を読み終えて、日露戦争から太平洋戦争に至るまでの日本の歴史をレビュウーして見ようという気になったからだ。この書はその間の歴史の視点を天皇の立場に置いているらしく、面白そうに見えた。
第1巻では明治34年のご生誕から、大正天皇崩御までが書かれている。司馬作品と比べて作者自身の主張よりも、若き親王の身の回りにおこった事実の記述に重点が置かれているように見えた。
主なエピソードを拾うと
明治天皇崩御と乃木大将の殉死 この時代までこの考え方が生きていたことに驚いた。
宮中某重大事件 皇太子裕仁親王の配偶者候補に久邇宮邦彦王第一王女良子女王がなるが、色盲症遺伝の疑いがあることがあきらかになり、問題となった。
欧州ご外遊 1000万円、6ヶ月をかけた親王の欧州外遊の解説はそのころの世界情勢等がかいま見え非常に興味深い。外遊は成功だったようだが、その間に蒸気パイプ破裂により、機関員が何人か死んでいるという事実も忘れてはならない。
原敬暗殺 政党政治の終末
虎ノ門事件 難波大介の凶行の様子はよく背景がちょっとつかみにくい。この時代の朝鮮人および共産主義の動きをもう少し知りたいと思った。
朴裂事件 このころの日本人と朝鮮人の考え方の違いがはっきりしているようだ。
大正天皇崩御 大正天皇の病気がこれほどとは知らなかった。裕仁親王が摂政になられてからは、事実上天皇ではなくなっていたようだ。
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