1165「私のカラオケ奮闘記」(5月1日(水)晴れ)
私の歌う才能についてはどこかで説明した。何しろ小学校の時に理解+2(優秀)、表現-2(劣等)の評価をもらった実績・・・・。人はこれを音痴と呼ぶ?
しかし世の中に出ると、カラオケがはやっていた。工場の現場を任されたりすると歌わざるを得なくなった。私が歌うとみな黙っているが、座が急に白けてくることはすぐに分かった。家で練習すると亡くなったカミサンは、そっと雨戸を閉めた。
それでも歌いたい気持ちだけはある。どうやったら歌えるか。私は楽譜つきの歌集を買ってきた。そしてCDやパソコンを通じて本人の歌を聞いた。そしてそれを真似してみようと考えた。最初にシャープだのフラットだのついている。がそこまでできぬ、とりあえずはハ長調のドレミと同じに考えればいいではないか。歌は何を選んでいいやらわからぬから、聞いたことがあるもの、楽譜があるものなど考え、川中みゆきだの五木ひろしなど選んだ。しかし評判はまるっきりですっかりあきらめた。「あの人、歌えっ、て言うと鞄の中から、やおら楽譜を取り出すのよ。ところがまるで下手・・・・・。」そんな風評。
現役時代はそれで終わってしまったが、3年くらい前から詩吟を始めた。
詩吟は日本流の呼び方にはなっているが、もちろんドレミがある。
それでピアノをあらためて眺めてみると、あれが88鍵あり、ラを大体440ヘルツくらいで調整することが分かった。ドレミも最初は全く合わなかったが、少しづつ自分流のものが出来上がってきた。そのドレミや詩吟を聞いて先生は「あなたは3本である。」という事になった。標準の8本から比べると5本、つまり2音半下という事だ。
少しドレミが言えるようになると、再びカラオケに挑戦しだした。カラオケボックスという物が一般的になってきたから一人カラオケでも練習するようになった。なかなか良い点がでない。
詩吟の先輩が「あなたのは基準に鳴る音がふらふらしている。基準はミだ。常にこの音を意識するといい。」という。我が家には昔娘たちが使っていたピアノがある。場所ふさぎで、調律代金を取られるだけであったが、毎日それでドレミを合わせるようにした。しかし音質が違うからあっているのか、違っているのかなかなかわからぬ。
それでもいろいろ気が付き始めた。「人前で歌うには1000回歌い、元歌を聞いてみなければならない。」これは一番感じた言葉。歌詞は覚えているのが当たり前、プロの歌詞はみなそらんじ、正面を向いて歌っている。1111で示した広瀬香美の考え方も大いに参考になった。酒を飲んだり、疲れていたりした状態では声の出ぬことも知った。また楽譜のドレミは参考に過ぎない。あれは本人あるいは標準らしい人の規準で書いたドレミにすぎぬ。そのドレミが自分自身のドレミと一致するかどうかはわからぬ。ただし楽譜は相対音はしっかり示している。美空ひばりの「龍馬残影」、他人からもらった楽譜のコピーはひどく低い音が多く逆に高い音がない。相対音、ひばりの歌を聞いて調子をつかみ、自分流の高さで歌うしかない。
もう一つ重要なのはリズム。カラオケの目標を考えると、皆の前で楽しく唄う事、すると少々音程にばらつきがあってもリズムがあっていればなんとなく乗れる。リズムにのる・・・最初は出だしの音を記憶した。ポイントのフレーズの最初の音を覚え、長さもなんとなくあうようになった。しかしそれでも今一つ乗れぬ。リズムは拍子は同じでも曲によってまちまち、あのバックのマラカスか何かを振って出している調子に合わせねばならぬ。目下苦戦中。
メロデイは、結局はバックに流れる弱い音に合わせることに気が付いた。しかしメロデイと同時に歌うのだから、合わせていたら遅れてしまうはずだ、それに弱いから十分に聞き取れぬ。考えた結果、ときどき歌う速度をほんの少し緩め、メロデイの音を確認するしかない。相対音はなんとなく頭に入っているから、最初の音さえあい、リズムに乗れればそれなりに歌になるように感じ始めた。キーというのはメロデイの音の高さの調節である。それ故コントロールして自分の歌いやすい高さに調整すればスムースな出だしができることも気が付いた。
細かいことに気が付き始めている。一つの音を音程をかえて歌い余韻を残すこと、歌の最後の伸ばし方、母音返し、震わせるところ、低音から高音に移行する際のしゃくり、等等考え出すといろいろ出てくる。しかし次のテーマのようなものが見つかってくると、なんとなくカラオケにやりがいみたいなものが出てくる。
以上、少し知っている人にはみな当たり前のことなのだろう。しかし表現マイナス2の私にとっては一つ一つが発見であり、学びの過程、面白く感じて書いてみた。
(追記)久しぶりにカラオケボックスに行った。よい点が出るに違いない、と考えたが散々。
カラオケボックスはだんだん技術が進化し、そう簡単にはよい点を出せぬように改造されてしまったのかもしれぬ、と一人悔しがる。
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