1309「「バカな経済論」を読む」(11月4日(火)晴れ)
著者は「バカな外交論」で述べたから省略。こちらの方が先に書かれたらしい。今年の1月上梓とあるから、昨年末あたりの状況で書いたか。そのころ日経平均が15000円をこえたあたり、1ドルは103円くらい、もう懐かしく感じるのだから時代の変化が激しい。しかし経済の基本については変わらぬ。
民間金融機関は日銀に無利子の当座預金を持っており、これと世の中に出回っているお金を合計したものを「マネタリーベース」という。
「一般物価とは「ものの量」と「お金の量」のバランスによって決まる。」
「インフレとはモノよりお金の方が多く、モノの価値が上がった状態」
「デフレとはお金よりモノの方が多く、モノの価値が下がった状態。」
「日銀の金融政策は「物価の安定のために世の中に出回るお金の量を調整すること」
「モノの値段は少し上がる方がいい」
ではどのくらいのインフレが「ちょうどいいのか」
「今現在でいえば年率マイナス1%くらいのデフレ状態にあるから、早くデフレを脱却し、年率2%の「マイルドなインフレ状態に持っていきたい」
そんな観点から今回のバズーカ第2段も出た、というべきか。
為替の仕組みは物価と同じ仕組みである。
「マネタリーベースと為替の連動性は、データ的に整合性が取れている。」
「ドルの量と円の量のバランスによって為替レートはきまるのだ」
「(日本に)輸出業と輸入業の両方がある以上、円高も円安も一長一短。あちらを立てればこちらが立たぬと言ってしまえばそれまでだが、日本経済にとっては、円高より円安の方がメリットは大きい。・・・・円安は120円前後で維持することが望ましい。」
金融政策における緩和と緊張は風呂の水道と栓の開け閉めと同じである。
金融政策は日銀が行う。その要諦は「物価の安定のため、世の中に出回るお金の量を調整すること。」デフレの時に買いオペレーション、インフレの時に売りオペレーションなどを行う。しばしば日銀の独立性という事が言われる。しかしあくまでも「手段の独立性」であって「目標の独立性」ではない。日銀をうまく使うのも、日銀の言いなりになるのも政府次第である。
日銀が行う金融政策に対して、政府が自ら行う経済政策は「財政政策」と呼ばれる。これは歳出と歳入を調整することで経済に影響を及ぼそうとするものである。たとえば景気が悪ければ大々的に公共投資を行って雇用増大を創出し、減税をして国民の負担を減らそうというものである。自分としては正しい金融政策が行われているところへ、その効果をさらに高めるために本当の効果がある公共投資に絞って行うべきだと考える。公共投資は注意をしないと金利の上昇を招き、それが円高、輸出減、輸入増につながる恐れがある。「マンデルフレミング理論」に基づく物だ
「アベノミクスの三本の矢」とは
@
大胆な金融政策(金融緩和)A 機動的な財政支出 B民間投資を喚起する成長戦略。
しかし@のみが重要でA,Bは付け足しのようなもの。デフレ下の金融緩和政策は直ぐに市場に現れた。1本目の矢については100点満点だ。
そんな中で消費増税は苦渋の決断であった。
「国の財政がひっ迫した中で景気回復は不可能だ。だからまずは財政再建、其のためには増税」という議論はまやかしである。「適切な金融政策の結果、企業や個人が増収になれば自然と税収も増えるのだから、そもそも増税の必要はないのではありませんか。」・・・・私は経済政策論として一貫して増税に反対である。経済が冷え込んだら金融緩和、熱しすぎたら金融緊縮、これですむ。
消費税は社会保障に適さない。社会保障制度は他の先進国でもそうであるが助け合い精神による所得の再分配によって成り立っている。財源は社会保険料と所得税が充てられるべきであり、そこの消費税が入り込む余地はないはずだ。
財政再建を達成する代表的な方法は@経済成長 A増税 B歳出カットであろう。「消費増税=財政再建」は正当な根拠はなく財務省のエゴだ。歳出カットに十分余地がある。まずは「歳入庁」を作り、財源を一括管理すべきだ。現状では20兆円近い税金が払われていない。国のお財布には毎年数兆円も増える埋蔵金がある。公務員の人件費カットで7兆円も出せる・・・・・。
著者自身の自慢話的なものも目立つが、経済の基本を理解するうえで、わかりやすく書かれていると思う。それにしても・・・・この伝でいけば再びの消費増税など避けてほしいですな。やれば全部とは言わないが黒田バズーカ第二弾の半分は帳消し??
註 ご意見をお待ちしています。
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