カムチャッカ火山が活発?
あーん?
それがどうしたっつの!!
私の中の活火山もおおいに活動中だっつの!!!

「なぁ…」
なに?神尾、仕事の邪魔はしないでよね
「深司、俺にももう少し思いやりを持ってくれよ…」
無理。で?何?
の奴、なんであんなに機嫌悪いんだ?目がいっちゃってるぜ?」
の場合、頭もいっちゃってるけどね

そこの二人、思い切りこっちにまで話が聞こえてるわよ。

「でも、いつにもまして機嫌が悪いみたいだぜ?」
あぁ、アレでしょ、不二さん絡み
「なになに?なんかあったわけ?」

なんで神尾アキラ、そんなに嬉しそうにしてるかな?

「どうも一昨日の仕事の時に不二さんの学校にまで迎えに行ったらしいよ」
「え〜、わざわざ迎えに行ってあげたわけ?不二さん、やっさしい〜」

神尾!
お前、私に喧嘩売ってるのか!?

でも、の学校って飢えた女で有名な女子校じゃん?

深司…
お前は私だけじゃなくて他の女も敵にまわすつもりなんだね?
飢えた女って。
別に私はいいとしても、うちの学生は許さないぞ?

そこに不二さんが単独で行ったわけ。どうなるかわかるだろ?
「すっげー!!ハーレムじゃん!」
で、登場。勿論の運命はどうなるかわかるよね?
「うわー…まさしく首チョン?」

神尾が自分の手で首に横線を引く仕草をする。
二人揃って本当にいい度胸だ!
つか、私まだ死んでないんですけど!?

しかも不二さんが言っちゃったらしいんだよ。"がいつもお世話になってます"って
「さっすが、不二さん!嫌がらせのコツをよく知ってるな!」

本当にな!!
あの時の私は、そう!
さながら大量の蛇達に睨まれた蛙?
自分で言っておいて例えがよくないな(私蛙かよ!)
いやいや、意地悪な魔法使い達に囲まれたお姫様!?

「なんか、の奴うっとりモードに入ってるぞ?」
放っておきなよ。どうせくだらない事なんだから
「それもそうだな。んで?の奴、学校の奴らにいじめられてるのか?」
「というか、さっきの話にまだ続きがあってさ」
「へぇ?」
結局その日の仕事朝方までかかったから次の日休み貰ったらしいんだよ。男が校門に迎えに来て、しかも次の日はそのままお休み…わかるだろ?
の奴、処刑台に立ったのか!!

お前達二人揃って何を楽しそうに話しこんでるんだ!
そんなに私の学校での苦痛が楽しいか!
そうさ、そうさ!
折角の休みをゆっくり寝て過ごそうと思ったのに昼過ぎ辺りから携帯のメールに脅迫状モドキメールがわんさか。
抜け駆けは許さないわよ〜からの癖に!まで、それはもうたくさん。
勿論今日学校に行ってからは更に凄い事に。
お前達に女子校の苦しさ・辛さはわかんないだろうさ!
一番今日堪えたのが、2つ下の後輩の"先輩、信じてたのに!"だっけ…
…私って何?

で、不二さんにどなりこもうと勇んで事務所に来たのはいいんだけど
「そういや、不二さん今日から北海道に出張中だっけ?」
そういうこと。空回りもいいところだね。で、八つ当たりする対象がなくなってブスブスとそこで燃え尽きてるわけ
「でも、ちょっと考えればわかる話しだよなぁ、不二さんがなんかと付き合うわけないのに」
飢えた女にはそんな事きっと関係ないんだよ。の学校に行けば不二さんもカモに成り下がっちゃうんだから。そうなると神尾なんかはカモどころかミジンコだね、本当
「深司っ!テメー喧嘩売ってんのか!?」


「お前ら二人は私に喧嘩売ってんのか、あーん?買うぞ、ゴラァァ!!!」






そして事態は暗転。






「なにやってんだい、アンタは!!」

あの後、私が二人に喧嘩ふっかけた所でタイミングよくスミレちゃんが現れ、私はお縄にかかってしまったのだ。
無念!!

「だって、スミレちゃ〜ん…」
「だっても何もないよ!先輩ともあろうものが後輩に向かってなんて口の聞き方だい!」
「あれは二人が悪いん」
「おだまり!」

びしっと言われてしまえば何も言えない。
ましてや相手がスミレちゃんなのだから、尚更のこと。
今日は、絶対に、厄日だ!!!

「うぅ〜…ゴメンナサイ…」
「それでよし!次からは気をつけな!」
「…あーい…」

グググとこみ上げてくる物を必死で堪えながらそのまま踵を返して自分のデスクに向かおうとした所

「あ、!ちょっとお待ち!」

とスミレちゃんから声がかかる。
今までの展開からいっても非常に嫌な予感がプンプンしてたまらないのは私だけだろうか。

「な、なんでしょう?私、仕事がぁ…」
「今お前に仕事は入ってないはずだよ!」
「書類がぁ…」
「お前の書類なら全部不二が出しておいてくれたよ!」

あの不二め!
余計な事をしてくれたなぁ!!!

「諦めな、仕事だ!」
「うぅ…ハイ…」

向こうでプッと神尾が笑ったのが一瞬見える。
神尾、あとで処刑!!

「神奈川支部の方から人員補助の要請がきてる、内容は新入社員の最終テストの監督」
「嫌です」
の拒否権は最初から無いよ

神奈川支部だとぉ!?
冗談じゃない!
面倒なのがゴロゴロ転がってて、その上いつの間にか事務所が温泉になってる神奈川だと!?

「でも、嫌なんですぅ!幸村、不二属性なんですもん!!」
「お黙り!仕事なんだからさっさと行きな!詳しくはプリントに書いてあるよ!」

ポイと詳細の書かれたプリントが渡される。
結局断れないままプリント片手に自分のデスクにどっかりと腰をおとす。
今年の神奈川の最終試験まで残ったのは一名。
稀にみる実力者だそうで、幸村も嬉々として最終試験の準備をしているらしい。
それに巻き込まれた私はどうなんだと思いつつ、プリントに目をやる。
同じ監督として一緒に行動するのがジャッカル桑原。
そして。

「試験生、切原赤也…ねぇ」




事態は生易しいものではなかったが。