こうなった原因はたくさんあった。
たくさん、たくさんあった、と自分は思う。



ぐるぐるとうまく働かない頭で一応直前の過去あたりから振り返ってみた。
確か、私は家に帰ろうと(マイアッシー)跡部と二人連れ立って事務所の入り口のすぐ傍を歩いていて。
問題はその後だ。

まず一つ目、神奈川支部の仕事でだかなんだかで東京本社にいた幸村が「俺もの家に帰ろうかな〜」とほざきながら私の右腕にしがみついた。
その次に、「んじゃ俺も便乗しちゃおー」とか言ってキヨちゃんが跡部の背中に飛び乗った。
で、すぐ傍で仕事に向かうらしかった不二がサルがナスを呼び出していて。
さらに、何故かそのときに限って覚醒していたジロちゃんが笑顔(と私限定の愛)を振りまきながら「、一緒に帰ろう〜」と私の背中に飛び掛ってきた。
「3秒以内に来いって言ってるでしょ?」と笑顔で不二がサルがナスを脅しつけているのを横目に見ながら。
ジロちゃんに飛び掛られてバランスを崩したそのタイミングで事務所のドアが思い切り開いてガンと思い切り私に当たって。
「大丈夫か、!?」とどうやらドアを開けた犯人らしい宍戸の姿をなかば睨みつけながらドアに思い切り当たった衝撃とジロちゃんの捨て身の攻撃による衝撃とでよろけて。





そう、涙目になっていたサルがナスによって移転しようとしていた不二に、よりにもよって不二にぶつかったのだ。





思わず跡部のコートの裾を握ってしまったのは、まぁご愛嬌というか。
それで、サルがナスの「」なんて不吉な言葉が耳に入ったと思ったら閃光弾かよってくらいのまぶしい光が視界を直撃。
耳元で聞こえてきた不二の「ちっ」なんていう舌打ちはもう聞かなかったことにしたいくらい。
そのまぶしさと不二の舌打ちの恐ろしさに思わず目を瞑ってしまって、














そして、目をあければこんなところにいたのだ。























そそそそ、双黒ぅぅぅ!?!?!?!

なんかよくわからない汁を体のいたるところから出しまくっている、見た目は超美形なお兄さんの目の前に。
ついでにいうと、明らかにさっきまで私たちがいた事務所の執務室とは違う屋外に。

そして、冒頭にかえるのだ。
















でも、誰にも言うつもりはないんだけど、一番の原因は不二と幸村の二人がいたことなんだと思う。
だって、二人はいるだけで、存在するだけで――――







人を不幸にできる天才たちなんだから。