―――その頃のはというと


ビスケがブループラネットをゲットするべくG・Iのゲームに参加していることを知っていたので、ここぞとばかりにジャポンの裏高級ホストクラブに通いつめていた。

「おほほほほ〜いい感じだわぁ!あの女がいないってだけで好き放題!!おほほほほ〜この世の天国よ〜」

シャンパンタワー(しかも7段)を見つめながら笑い転げていたのだ。
周りに店中の男とクロロをはべらせて。
そう、クロロもはべらせて。

「母さん、もうこの店に入ってから3日が経つんだけど」
「おほほほ〜飲んでる〜?クロロ、しっかり飲めるときに飲んでおきなさいよ〜おほほほ〜」
「だからさ、もう3日目なんだけど・・・そろそろ店でない?」
「えー・・・もう帰るの?」

ドンペリのグラス・・・ではなくボトルを右手に掴んだままがえーっと不満たらたらにクロロに顔を向けるが、クロロはそのボトルを右手から取り上げそのままの腕を掴んで上に引き上げた。
抵抗なくストンと綺麗に立ち上がったをそのまま俵のように担ぎ上げると、そのまま店の出口へと向かいはじめる。
それに慌てたのは店のオーナーではなく、担がれている本人である。

「ちょっちょ、ちょっとクロロさん、私まだ遊び足りないのよーつかまだ復讐は終わってないのよぉ!ビスケにぎゃふんって言わせるまで私は男で遊ぶのよぅ」
「我が侭もそのへんにしとかないとシャルに嫌われるよ、母さん」
「うげっ!爽やか王子に嫌われるのはイヤーン」
「ついでにマチに軽蔑もされるよ」
「む、娘に嫌われるのはもう二度と嫌だ・・・うわーん、マチィィィィ、キキョウちゃーん、お母さんが悪かったァ!」

担がれた状態でさめざめと泣き始めたを見てクロロは満足そうに笑うと、傍に控えていた店のオーナーに顔を向け口をひらいた。

「お金はいつものように口座から思い切り引き落としておいてください」
「かしこまりました」

現金払いでなく口座引き落としにしておけば母親のお金の管理をしている暗殺一族に嫁いだ最初の娘とやらが気付いて、母親に散々説教をしてくれるだろうと踏んで。