あんしん配達通信マガジン(月刊)



■推薦書籍

「はいってはいけない−得する生保、損する生保−」
 著:佐藤立志 祥伝社黄金文庫(本体524円)

このメールマガジンと同じスタンスの生保本です。
どこが同じなのかと言えば、生保評論家や専門家、マネー雑誌は信じられないというスタンスが同じなのです。
詳しくは第5章の「(3)信用できるマスコミ・評論家の選び方そを読んでください。
私が専門家という人たちの言うことを信じないのは、コンサルティングがウソだらけだからなのですが、もっと具体的に、これまでの悪事の数々が暴かれています。
これを読んで、私は自分の直感の正しさに感動してしまいました。

さて、お勧めの基本はそこなのですが、それ以外にもホームページ「あんしん配達通信」の今月のトピックスで毎月皆さんにご注意してきた次にあげるような事柄が、網羅されています。
とくに、もし今「堂々人生」や「L.A.」を勧められているようでしたら(もしかして、もう加入されている方も)、必読です。

■堂々人生について

私のホームページでは、2000年1月の今月のトピックスで取り上げていますが、この本では、私の解説通りの指摘が客観的にされています。
http://www4.plala.or.jp/anshin/topics.00.01.html
実は、私も認識できていなかった点にも触れられています。
それは、堂々人生の仕組みは「定期付き終身」でもない、ただの「定期保険」だということで、なんと支払い続ける保険料はまったく終身保険に充当されていないのだそうです(何と終身保険の権利を買っているだけなのだそうです)。
保険料免除(ハイバリュープランの保険料払込免除特約)のために保険料を払わなければいけないということは知っていたものの、そのまでいい加減な設計だったとは知りませんでした。

■L.A.について

L.A.についても、ホームページで取り上げています。
http://www4.plala.or.jp/anshin/topics.00.08.html
この本では、「専門家が読んでもわからない設計書」「メリットが表示されない設計書」という切り口でL.A.を取り上げています。
とにかく、自分で分からないものは納得したつもりになってはんこを押さないことが原則です。

■個人年金について

個人年金については、今月のトピックス2001年2月で取り上げたばかりですが、この本でも設計書上の配当の記載についてのからくりを、実際の設計書で解説しています。
http://www4.plala.or.jp/anshin/topics.00.08.html
個人年金の年金額のうち確定している金額は、あくまでも基本年金額であることをお忘れなく。

■「はいれます」について

皆さんCMでご存じの「はいれます」ですが、これについても取り上げられています。
以前から、コンサルティングの際に、50歳で加入したら67歳までに死なないと損です、と私はお話をしてきたのですが、そのことがきちんと解説されています。
それ以上加入すると、支払い保険料が受け取り保険金を上回ってしまうという、妙なことになってしまうのです。
CMでは、ウソは言っていませんが、視聴者の方の誤解を誘導するような手法がとられていることは、否定できないと思います。
「掛け捨てではない」のですが、掛け過ぎがあるなんてことは、視聴者は思っていませんから。

■異論のある部分

ただし、この本にも、納得できない点があります。
それは、配当商品と無配当商品を、商品性の違いを無視して比較している点です。
配当のメリットについては、ホームページ「あんしん配達通信」で解説していますが、単純に保険料と満期金(学資保険ならお祝い金など)を比較した場合、この配当の良さが分かりません(配当付きの方が、配当のメリットがある分、保険料が高いわけですから)。

例えば、次のように考えてください。

無配当の保険 :将来、現在と同じ金額が確保できる
配当のある保険:将来、現在と同じ価値がほぼ確保できる

このような違いがあります。
どう違うのかと言えば、インフレになった場合、同じ金額を受け取っても、使える価値は減ってしまう点で、無配当の商品は将来の物価上昇に弱いと言えるのです。
学資(こども)保険の場合、満期に200万円出るとしたら、今は200万円で進学資金に十分ですが、インフレになって進学資金が300万円になってしまった場合、無配当の学資(こども)保険では、進学資金が不足してしまいます。
このようなデメリットが、無配当の保険にあるのです。
その代わり、保険料は無配当の方が安いのですが、それは安いなりのことがあるからなのです。

ところが、この本では、その点がきちんと整理されていません。
たしかに、現在のように金利が底の状態では、無配当でも問題はありませんが、将来物価が上昇した場合、そのリスクを回避できないのです。

具体例によれば、ソニー生命のこども保険が、簡易保険の学資保険より利回りが良い、という記述と比較表がありますが、本来はこれだけでは一概に有利、不利は言えないわけです。
しかし、比較表では配当という要素はまったく盛り込まれていませんので、ソニー生命の方が当然よく見えるわけです。
これだけの要素で比較したなら、当然ソニー生命を選択するでしょうが、配当の持つ意味を知っていれば、必ずソニー生命のこども保険を選ぶとは限らないのではないでしょうか。

以上、生命保険をお考えになる際の参考にしてください。


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