★最近驚いた生保セールスの実例 あれこれ
先日、コンサルティングの際、相談者の方から「あっと驚く」生保セールの実態をいろいろ伺いました。
私もビックリしたようなこともありましたので、皆さんにご披露してみたいと思います。
■えっ! それは保険業法300条違反ですよ
「昔はあった」ということは知っていましたが、何と今でもお申込時の初回保険料をサービスする生保セールスの方がいらっしゃるそうです。
つまり、最初の保険料をお客様から受け取らないことをサービスだと勘違いしているセールスが、未だに存在するそうです。
これは、ばれれば保険業法300条違反で、セールスの方は募集人登録を取り上げられるという恐ろしいペナルティーも待っています。
にもかかわらず、まだこんなことを堂々とやっている人がいるとは。
お客様の方からしたら実害がないように思いますが、こんなサービスをする人に限って「セールスand保険会社本位の保険プラン」をお客様にお勧めしていますから、最終的にはお客様はとんでもないプランを掴まされている可能性が大きいのです。
その穴埋めに数万円分の保険料のサービスを受けたからといって、それはお客様の本当の意味での利益にはなりませんので、ぜひご注意ください。
さらに、このケースでは、申し込み時にはお客様に渡さなければいけない「約款」も渡されていなかったそうです。
約款の受け渡しについて言えば、申込書に「約款の受領印欄」もあり、受け渡しがなくて受領印をお客様からいただいたということは、それだけでアウトです。
■終身保険は不確実?
この話は、あるセールスを統括する責任のある方が、お客様に自信を持ってお話ししたそうで(FPの資格も持っているから、さも客観的な話だと言わんばかりのお話をされたと言うことです)。
お客様が、「終身保険を厚くしたプランがいい」といったところ、なんとその人は「終身保険を厚くするプランはもう古いし、不確実だからやめた方がいい」といったそうです。
そうなのです。生半可な知識をお持ちの方は、すぐに新しいとか古いとか言ってごまかしますが、保険プランに古いも新しいもありません(FPといった肩書きを持ち、さも保険に詳しそうな顔をした人も、この手のことをよく口走ります)。
あるのはお客様のニーズであって、それに基づいて商品を提供するのが生保会社です。
最近とくに、「保険を超えた保険とか」「貯めて使う」みたいな、一見目新しい、実態は「こんな保険プランなら、貯金した方がまし」なんていう「既契約の予定利率引き下げのための転換促進」セット商品が横行していますが、だまされてはいけません。
悪いとは言いませんが、新しいわけでも、進化しているわけでもありません。
視点を変えると、まだ定期付き終身保険プランの方がましな点が、ボロボロ見えてきます。
で、終身保険が不確実という話ですが、よくよく聞いてみると、終身保険が不確実ということではなく、人生というのは不確実だから、いろいろ手厚く特約(私に言わせれば「グリコのおまけ」)のついたセット商品の方がいいと言いたかったらしいのです。
それはそうで、終身保険なら一生涯の死亡保障を確保できますし、途中で解約した際の解約返戻金も確定します。保険料もアップすることなく、払込満了年齢で保険料の支払いも終わります。実に確実です。
ところが、手厚く特約のついたセット商品は、
・途中でも保険料アップがある
・肝心な60(あるいは65)歳以降の保障は確保できないか、後払いで高額な保険料を払わないと保障を続けられない
・保障内容も、「○○になったらでます」とセールしながら、実際は「○○になったうえで、さらに○○の状態まで悪化しないとでません」といったように、簡単には給付されないものが多い
・いわゆる掛け捨てですから、保険事故が起こらなければ保険料は自分にまったく還元されない
といった点で、安い保険料で手厚い保障が一見手にはいるように見えますが、実際は死亡のリスクや入院のリスクがまだ小さい年齢のみ保障が大きく、本当にリスクが高くなる年齢では保険料が高くなるためそのままの保障が確保できないことになってしまいがちです。
なんて不確実な保障内容でしょうか。
以上、3月中に「保険料がアップするから今のうちに」と勧められて加入(転換)した方や、4月に入って「新しい保険が発売されたから」と勧められて加入(転換)した方からの相談が増加しています。
「入ったはいいが、内容はどうなの?」というご相談ですが、「入ったから仕方ない」ではすまないくらい、将来的に数百万円単位の保険料を無駄にする可能性がありますので、ご注意を。
後もう一つ、いわゆるおばちゃんのトークは100%まで信用しない方がいいでしょう(40%くらいは本当かもしれませんが)。
約款をもらって、本当かどうか確認するとか、他社の人に確認するとか、自己防衛も必要です。
ウソのトークで加入したからと言って、よほどの証拠(文章など)を握っていない限り、お客様の苦情は相手にされません(大きな生保ほど、実態とかけ離れた消費者契約法対策は万全でしょうから)。
自分のお金・保障は自分で守りましょう。不確実な時代ですから。
ウソ・トークの手口については、また今度。
説明不足の点、舌っ足らずの点があるかもしれませんが、ご質問はお気軽にどうぞ。
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