★生保のTV−CMに一言(2001.06.29)
今回は、誹謗中傷にならないように、最近に目にした生保コマーシャルで、気になった点をいくつかあげてみます。
じつは、金融庁の規制で、個別にお客様に会って行うセールスでは、他社の情報をお客様に話したり、資料(格付けなどもです)を見せたり、資料を渡したりしてはいけないことになっています。
ところが、TV−CMや新聞広告などは、私に言わせたら「野放し」状態です。
そういった、とんでもない広告を皆さん信じて、検討の材料にしている訳ですから、一体、金融庁が誰の味方なのか。
そこで、「鵜呑みにしてはいけない」事例として、私が気になる生保セールをピックアップしてみました(ただし、正確な内容はきちんとご自分でご確認ください)。
■ 外資系A社「医療保険」の場合
「いいな、いいな、○○○、○○○」のCMソングを最近耳にしませんか?
「知らなかった。○○○は××だったんだ」ということで、A社は「医療保険」のメリットいくつか列挙しています。
でも、この「医療保険」のメリットの陰には、次のようなデメリットが潜んでいます。
「知らなかった。この医療保険の保険料は10年ごとにアップし、高齢になると負担できないかもしれないほど高額の保険料になることを」
「知らなかった。そのうえ保険料は終身払いで、保障が必要な間は保険料を払い続けなければならないことを」
この2つの重要なポイントをきちんと説明せずに、
・安い保険料で入院、手術、通院で給付がもらえる
・10年ごとにボーナスがもらえる
なんてことで消費者の目を引こうとするとは、公正な広告と胸を張って威張れる内容とは思えません。
ポイントは「詳しい内容は資料をご請求ください」といった、文言が織り込まれている点ですが、じつはその資料をみても、上記のデメリットは大きく記載されているわけではありません。
小さい字で気がつかないように、しかも間接的な記載でお茶を濁しているのが現状です。
各社のホームページに必ず出ている「勧誘の方針」も、これでは信用できませんね。
■ 外資系A.D社「○○○こい」の場合
じつは、この商品は「傷害保険」で、病気での死亡、入院、通院、手術では全く給付がないのですが、TV−CMでは「傷害保険」とは一言も音声が流れていません(画面に小さい文字で出てはいますが)。
むしろ、
・診査がいらない(傷害保険ですから当たり前)
・年齢に関係なく保険料が一律(傷害保険ですから当たり前)
・保険料が割安(傷害保険ですから当たり前)
・「保険を諦めていたあなたに」というキャッチコピーで、まるで生命保険かと勘違いさせている
ことなどから、かなり意図的に消費者に錯誤させようとしているとしか、私には思えません。
このようなTV−CMに出演しているタレントの方、イメージを悪くしますよ。
■ 国内大手生保「○.○」の場合
「無理なく見直せる保険」というキャッチコピーで、またぞろ盛んにTV−CMを流していますが、これが噴飯ものです。
というのは、これまでその会社で販売していた「定期付き終身保険」でも、「無理なく見直しはできた」のでした。
それを阻害していたのは、会社の方のルールで、「この商品はセットプランですから、ここまでしか見直しができません」といった対応で、見直しをしにくくしていたわけです(できたとしても、それをできないといっていた「おばちゃん」もいました)。
例えば、「終身保険だけを残せませんか」というお客様のニーズに対しては「セット商品ですので、定期保険特約などを最低でも○○○万円残していただかないといけません」などといわれて、結局思い通りの見直しができないうえ、頼みもしないのに「転換」を勧められ、結局はそれまでの保険を解約することになっていたわけです。
したがって、いまさら「無理なく見直せる」といわれても、当然、鵜呑みにはできません。
ある意味、「嘘くさ」といっている最後の一言が、オチャラカシでなく正鵠を得ているのではないでしょうか。
ついでに言いますと、「○.○」でなくとも、「○.○」がアピールしている見直しくらいは簡単にできます。
むしろ、それができるかどうかは「会社のポリシー」の問題なのではないでしょうか。
以上、まあ今回はこんなところで。
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