あんしん配達通信マガジン(月刊)2001.09


★生命保険プランをマンションにたとえると(2001.09.19)

先日、生命保険のコンサルティングを行っているときに、ふと、生命保険プランとマンションの共通点に気づきました。
あくまでも、私が考えた「たとえ」ですが、皆さんにご納得いただけますでしょうか。

■ 家の次に高い買い物、それが生命保険 

生命保険プランを選ぶとき、皆さんはその生命保険プランに一生でいくらの保険料を払うのか考えましたか?
言い方を換えると、毎月の保険料で生命保険を分割払いで買っているという意識はありましたか?
そうです、生命保険の場合、保険料を払い込んでいる途中で何があるか分からないと言う意識が強いため、60歳とか65歳まで払い込み続ける意識が希薄になりがちです。
ところが、実際に保険料を払込終わるまでに何かあることは5%ないわけですから、皆さんとんでもない勘違いをしながら、毎月生命保険料を払い続けているわけです。
車を買うどころか、場合によっては家よりも高い買い物をしてしまっているのかもしれません。

■ 10年で壊れてしまうマンションを買いますか? 

さて、皆さんが加入されている生命保険プランといえば、定期付き終身という生命保険プランが一般的ですが、このプランを生命保険にたとえると次のようになるのではないでしょうか?
まず、生命保険プランの土台は、主契約である終身保険です(ちなみに、今流行のアカウント型は土台となる終身保険がありませんので、私に言わせると、そして今回の主旨からすると、定期付き終身以下の内容と言うことになります)。
そこに、期間限定の死亡保障や入院保障などが付いているわけですから、マンションにたとえると終身保険はコンクリートでできた躯体となるでしょう。
そのなかに、フローリングとかシステムキッチンとか床暖房、TVモニター付きインターフォン、食器洗い器、ディスポーザーなど、豪華な調度や設備が付いているわけですが、それらはさしずめ生命保険プランの内の盛りだくさんな特約ということになります。
ここからが肝心なのですが、皆さんがマンションのパンフレットをご覧になるとき、ついつい豪華な設備や調度に目がいってしまうように、生命保険プランの内容を比較しようとするときも、特約の豪華さ・メリットに目がいってしまいがちではないでしょうか。
ところが、マンションでも生命保険プランでも本当に重要なのは、土台であり躯体であるわけです。これが、頑丈でなければ、財産としての価値が維持できない訳です。
だって、どんな豪華な内装のマンションであっても10年しか持たないマンションをわざわざ高いお金を払って買いますか?
生命保険プランの「10年更新(あるいは15年更新)」というのは、この豪華な内装である「盛りだくさんの特約」を重視したあまり、10年で役に立たなくなるマンションを自分のニーズに合っていると思いこんで選択してしまうのと同じくらいの行為です。
10年かけて保険料(住宅ローン)を払ったのに、10年経ったところで転換(マンションの買い換え)をしないと保障(住まい)が確保できない、これが皆さんが加入されている生命保険プランの本当の姿だったと知っていたら、あなたはその保険プランを選択していましたか?

■ あっと驚く下取り価格? 

保険料で考えてみますと、保険料の約8〜9割をつぎ込む盛りだくさんの特約は、賞味期間が10年(更新が15年のものは15年と読み替えてください:以下同様)ですから、10年するとその保険料は掛け捨てになってしまいます(つまり、自分に返ってこないお金になってしまいます)。
その上、その特約を継続(更新)すると、その時点の年齢に応じた保険料にアップしてしまいます。
肝心の土台へは1〜2割程度しか保険料を充当していませんから、転換(マンションの買い換え)をしようにも下取り価格はたかがしれたものでしかありません。
しかも、転換(マンションの買い換え)の度に、保険会社への経費(不動産屋への手数料)を支払う訳ですから、ドンドン持ち出しのお金も嵩んでくるのは自明の理です。
こう考えると、転換を何度もすることは決してお得である訳でもなく(はっきり言えば、何となく勧められての転換は損でしかありません)、裏返して考えると転換を何度も勧めるセールスレディーは決してお客さんのことを第一に考えて勧めているわけでもないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

■ できることならデメリットを比較しましょう

結論ですが、皆さんがメリットを比較すれば良い保険プランが選べると考えるのは「幻想」(素人考え)に過ぎません。
そのような些末なメリット(その保険事故が発生するリスクはかなり低いのです)の比較ばかりしても、所詮は10年すれば「はいさようなら」で、そのメリットを維持するための保険料はぐんぐんアップしていきます。
それならば、何を基準に選択すればいいのかと言えば、まずは生命保険の土台です。
ニーズによっては終身保険である必要はありませんが、通常のニーズなら終身保険できちんと土台を作っておくべきです。
そして、プランを比較する際には、デメリット(つまり、できないこと)をきちんと比較してみてください(皆さんは、些末な「できないこと」を比較しがちですが、本来的な「できないこと」を比較してください)。
・保障は何歳まで有効なのか?
・保険料は何歳まで同じなのか?
・保障額は何歳まで同じ額なのか?
・最後まで保険料を払うと、総額でいくらの保険料を払うことになるのか?
「この保険に加入していればこんなにお得」という点で比較するのではなく、「この保険には、どんなデメリットがあるのか」という点で比較してみてください。
そして、自分のニーズに合うかどうか検討すればいいのです。
ただし、あれもこれもでは、保険料は驚くほど高くなってしまいます(10年だけ有効という更新タイプのプランの場合、加入時は安く見えますが、10年後・20年後に続けていくことができません)。
本当に必要な保障(死亡・入院)を最適な額、確保することをお忘れなく。
で、皆さんはセールスレディーにニーズを誘導されていて、自分のニーズを勘違いさせられている場合もありますから、ご注意を。
さらに付け加えると、デメリットはなかなかパンフレットに記載されていませんし、記載されているとしても小さい字で回りくどい言い回しで表現されていますので、真のデメリットは読みとれないかもしれません。
そんなときは、お気軽に相談を。メールでも受け付けています。

以上、私の独断でした。まあ今回はこんなところで。


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