あんしん配達通信マガジン(月刊)


★明治生命・安田生命の合併報道の?

今日の新聞にでかでかと出ていました「明治生命と安田生命の合併」報道ですが、よくよく読んでみると首を傾げざるを得ない記事がママ見受けられましたので、新年第1弾は、大新聞記事にイチャモンを付けてみたいと思います(読者200名突破記念も兼ねまして)。
もっとも、このメルマガをご覧の方なら、すでに見抜いていらっしゃるかも知れませんが。

■ エッ!明治生命と安田生命が勝ち組だって?

まず目に付いたのが「勝ち組」という表現です。
でも待ってください。明治・安田とも勝ち組ですか?
少なくとも勝ち組というのなら
・外資系の格付けでAA以上
・契約高が純増(解約より新規契約の方が多い)
最低でも、以上の条件は満たしている必要があるのではないでしょうか?
ところが、報道の勝ち組とは、「負け組ではない」と言うことを表現するために使われているようで、非常に読者の誤解をよぶ表現と思われます。
ちなみにこの基準で勝ち組を決めたら、住友ですら勝ち組になりかねません。
いくら、広告収入で成り立っているとはいえ、報道の公正中立は画に描いた餅のようですね。
また、勝ち組を印象づけようと苦し紛れにソルベンシー・マージン比率を出すのは、正確さを非常に欠いた記述ではないでしょうか(ソルベンシー・マージン比率のいい加減さを知らないとは言わせませんよ)。

■ 資産が多いほど運用が安定するって?

まあ勝ち組については一般紙ですから、良しとしましょう。
ところが日経でも「とんでも記事」を発見してしまいました。
第3面の記事の最終行です。
「資産が多いほど安定的な運用利回りを確保しやすいとみている。」との記述ですが、であるなら、大手生保ほど運用が安定していて、逆ざやなんてないように思えますが、実態は大手生保ほど逆ざやで苦しんでいる訳ですから、いかにいい加減な記述かお分かりいただけるのではないでしょうか(逆ざやから言ったら、大同や太陽の方が遙かにマシですよね)。
ちなみに、資産の運用安定の目安は、「ALM」システムで資産運用を行っているかどうかで判断すれば十分です。
「ALM」とは、資金需要と資金運用の期間をきちんとマッチングさせる資産・負債管理法で、これが導入されていない生保は、いわゆる「ドンブリ勘定」で、今でも資産・負債管理を行っていると言うことになります(もはやバブルでもないのに、旧態依然ということでしょうか)。
もっとも、ALMを持ち出さなくても、数学(私は中1で勉強しましたが)の知識があれば分かることです。
つまり、(−)+(−)=(−)にしかならないのです(マイナス同士をプラスにするには、+ではなく×となるわけで)。

■ それでも総資産は、やっと業界第3位

明治と安田の合併が、今ひとつインパクトがないのは、誰が見ても、日生と第一に相手にされなかったもの同士が、しかたなく合併したように見えるからなのでしょうか?
その証拠が、総資産でも上位2社に追いつくことができなかったことでも分かります(契約高では、どうやら住友を抜けないようで、第4位だそうです)。
ところが、これを「強者連合」を書いている新聞があります。
強者連合とは、日生と東京海上(つまり、トップブランド同士ですが)が一つになるくらいのことでもなければ、使えないのではないでしょうか。
正確には「第三希望連合」ではありませんか。
さて、それでは合併後の名前はどうなるのでしょうか。
双方とも歴史のある名前ですから、まあ普通には「明治安田生命」でしょうか。
でもこれでは、新鮮味がありません。
そこで提案ですが、安田の「安」と明治の「治」を足して「安治生命」転じて、ローマ字読みで「Ange生命」が訛って「エンジェル(Angel)生命」なんてのが、今風でしょうか(ただし、エンジェルの真の意味を知っている私なら、絶対にそうしませんが)?

最後に。
マスコミの生保についての知識のなさは今に始まったことではないのですが、良い給料をもらっているのですから、もう少し勉強してください。
でないと、あまりの未熟さに、読んでいる方が恥ずかしくなってしまいます。
もっとも、生保の新聞広告も、かなり恥ずかしいのですが。





★朝日生命のおばちゃんはどうする?

朝日生命と東京海上の早期統合の白紙撤回を受けて、ふと思ったことを手短に。

昨年の11月以来、朝日生命の営業は「東京海上と合併するから、もう安心(大丈夫)」といってセールスをし続けています(今日からは、どうなるのでしょうか)。
ところが、朝日生命と東京海上の合意文をきちんと読めば、「営業権譲渡の後、朝日生命の経営が健全(正常)化すれば合併する」としか合意していないわけで、それを契約者および見込み客に、まるで合併が合意されたかのように言いふらしている行為は、保険業法300条の禁止されているところの「虚偽の告知」に当たるのではないかと、個人的には疑問を感じておりました。
もっとも、それを取り締まるはずの金融庁が、朝日生命を破綻させたくないわけですから、朝日生命の格付けなどを消費者に正確に伝えることは「他社の誹謗中傷」行為として厳重に取り締まっても、朝日生命の希望的な夢のような合併話トークには特に規制はなかったようです。

ところが、ここにきて早期統合の白紙撤回です。
早期統合なくして健全化なしだったわけですから、早期統合話が流れてしまった今、朝日生命が自力で健全化を図るのは、株価低迷などの環境悪化を含めて、相当に難しいということが、素人でも分かります。
そうです、「東京海上と合併するから大丈夫」といわれて踏みとどまっていた契約者も、おそらく話が違うと言うことに気づくはずです。
もともとは画に描いた餅でしかないわけですが、朝日のおばちゃんはそれを本物の餅として契約者に説明していたわけで、単純に考えれば、もはやそれを信じてくれ契約を継続させようとする、ありがたい契約者がどれほどいるでしょうか。
おばちゃんについては自業自得とはいえ、この反動はかなり大きく、今週末からの契約者の動き如何では、さらに大きな動きがあるような気がします。

最後に、皆さん三連休の法則はご存じですよね?
2月にも三連休があるのが気になる今日この頃です。


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