あんしん配達通信マガジン(月刊)


★財産形成の基本は減らさないこと

今回から、いよいよFP的でない、マネー雑誌的でない、財産形成法を数回(何回になるかは未定ですが)に分けて検討してみます。
私の思いこみの部分もありますし、言葉足らずの点もあるかと思いますが、お付き合いいただければ、皆さんがこれまで感じていた「専門家が言っているんだからきっと正しいんだろう」という漠然とした信頼感は、大した根拠がなかったとお感じになるかもしれませんし、それを期待しています。
むしろ素人の漠然とした不安感などの方が正鵠を射ている場合が往々にしてあります。
皆さん自分を信じましょう。
そして、目を覚ましましょう。
専門家が言っている、アメリカでは主流だ、新しいスキームに基づいた、日本初、業界初なんてことは、個人の財布には実は大した意味がありません。
皆さん、踊らされないために、資産形成の基本的ポイントを押さえ、資産を減らさないようにしましょう。
そもそも、マネー評論家やFPという人は、証券会社の講演会に出てたりするのですから、全く色の付いていないことを言うわけがないのですから。

■「資産は減らさない」が原則

皆さん「資産を殖やす」というキャッチフレーズをCMや本、雑誌で見かけたら、専門家面して「何も分かってないなー」と思ってください。
実は、資産は殖やすものではなく、減らさないことが最大のキーポイントなのです。
これを知っていれば、目先の金利や利回りに右往左往することはありませんし、しなくていい損をすることもありません。
でも、どうして?と思うでしょうが、理屈は簡単です。
金利とお金の価値の関係をきちんと把握すればいいのです。
預貯金で言えば、利息は物価上昇による元本の価値の目減りを防ぐものであり、価値を殖やすのではないということを、きちんと認識しておけばいいのです。

例えば1000万円の現金が手元にあった場合をお考えください。
銀行に預けると金利が1%の場合、1年間で10万円の利息が付きます。
つまり、1年後には1010万円となります(以下の例でも税金は考慮していません)。
ところで同じ1000万円で、金利が5%なら1年間で50万円の利息が付くわけですから、一見すると金利が5%の方がいいように思えます。
でも、よく考えてみてください。
金利が1%の時と5%の時では、物価の上昇の度合いが違うのです(金利というものは将来の資金需要を見越して決まるため、それに連動して物の価値も上昇すると考えられます)。
つまり、受け取れる金額(元本+利息)は違っても、1年後のお金の価値(1年前に1000万円で買えたものを買うための金額)は、原則として同じと言うわけです。
もちろん、金利自体が運用されていきますから「複利のメリット」は、金利の高い方が大きくなりますが、これは副次的な効果です。
あくまで、
・金利が1%のときは1%なりの物価上昇
・金利が5%のときは5%なりの物価上昇
となり、使えるお金の価値からすると、変わりがないと言うことになります。

もう一つ例を考えてみます。
年金生活者の方が低金利で生活が苦しいと報道されています。とくに虎の子の退職金を切り崩して生活をしなければいけない、と老後生活の不安を皆さん訴えています。
でも、本当に低金利が悪いのでしょうか。
たしかに、金利が高ければ利息は増えますが、その分、物価も上昇してしまいます。
となると、元本自体の価値も物価の上昇で目減りしてしまいます。
金利の高い時期には、見た目の元本は減らないかもしれませんが、実質的には元本の価値は減っていることになり、低金利下で元本を食いつぶしているのと対して変わらない状況となるのです。

1000万円を運用している場合で、
・金利が5%のとき:1年後の元利は1050万円
 でも、使えるお金の価値は1000万円(5%なりの物価上昇があるため)
 したがって、50万円増えたと思って50万円使うと、実際は元本を食いつぶしていることになります。
・金利0%のとき:1年後の金利は1000万円
 でも、使えるお金の価値は1000万円(物価の上昇がないため)

結論としては、現在の経済情勢からすると、金利が低くても物価が上昇しないため、預貯金の価値自体は減らないと言うことが言えるわけです。
でも、金利が高い方が「お得」に感じますし、実際に購買意欲は金利の方が高くなるわけですから、景気というのは気分の問題だといえるのではないでしょうか。

最後に、説明に飛躍のある部分もあるかと思いますが、具体的なご質問や設計などはお気軽にお問い合わせください。
お待ちしています。

次回以降の予定です。
・リスク分散は必要?
・これからは投資も必要?


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