あんしん配達通信マガジン(月刊)


★2003年9月末生保決算

大変遅くなってしましましたが、2003年9月末生保決算をHP上に追加しました。
着目してほしい項目をピックアップしてみましたので、生保選択の一助にしてみてください。

http://www4.plala.or.jp/anshin/2003_09_kessan.html

とくに、すでにHP上にアップしました「主要13生保2003年上半期ランキング」(日経金融新聞)で、取り上げられている指標のうち、「営業利益率(基礎利益÷保険料収入)ランキング」が、本当に生保のランキングのご指標として適切かどうか、お考えいただければと思います。
というのも、この指標の意味は、保険料収入からどれだけ利益を上げられたか、それを示すためのものと考えられますが、よくよく考えてみると、次のような生保まで、この指標が良くなってします恐れがあると考えられるのです。

それは、この指標「営業利益率(基礎利益÷保険料収入)」をよくするためには、基礎利益は大きいほど、保険料収入は少ないほど良くなるのですが、そもそも保険料収入が少ないと言うことは、生保としては、それ自体経営がうまくいっていない状態と考えられます(ただ、それでも、この指標は良くなり、ランキングもアップするはずですが)。
であれば、基礎利益を大きくするしかないのですが、基礎利益を分解すると次のようになります。

●プラス要因
 キャピタル収益
 臨時収益

●マイナス要因
 キャピタル費用
 臨時費用

ところが、このマイナス要因となる「臨時費用」の中に、「危険準備金繰入額」(この額の増加はソルベンシー・マージン比率のアップにつながります)が含まれており、生保としてこの準備金を増やそうとすると、基礎利益が減るという相関関係になってしまうのです。
つまり、生保の健全性の指標の一つである「ソルベンシー・マージン比率」をアップさせようとする(契約者にとっては、その方が健全性アップにつながって、有り難いと考えられます)と、「営業利益率」が悪くなってしまいかねないのです。
もっとも、だからこの「営業利益率ランキング」が良いからといって、上記の懸念通りというわけではありませんので、お間違えのないように。

かように、一つの数値や指標、あるいは格付を鵜呑みにせず、それぞれの数値の関連も含めて生保の経営状態を考えるということが大切、ということではないでしょうか。





★格付付与情報

フィッチ(Fitch)が、2月18日、第一生命に「A+」の保険会社財務格付を付与しました。

「A」:保険金支払能力は高い。
    経済あるいは事業環境の悪化は保険金支払能力に影響を与えると予想されるものの、その程度は軽微であると考えられる


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