あんしん配達通信マガジン(月刊)


★「お笑ひプライベートバンク」を読む

今回は、読書感想文を。

取り上げますは「お笑ひプライベートバンク -お金持ち限定ビジネスの知られざる生態系へようこそ!-」梨士群(Ri Shigun)著、カナリア書房刊(1,400円:税別)です。
世間には世相を反映して、資産防衛本や資産運用本、資産活用本、資産海外逃避本が巷に溢れかえっておりますが、それらを鵜呑みにする前に、ぜひこの「お笑ひプライベートバンク」をご一読されてみてはいかがでしょう。
ちなみに、「お笑ひ」は「お笑い」の間違いではありませんので、念のため。

本の内容紹介の前に、著者の名前の分析から。
著者は、金融コンサルタントの「梨士群」となっていますが、これをアルファベット表記通り「りしぐん」と読んではおもしろくありません。
「なししぐん」→「なししんぐ」→「ナッシング」→「Nothing」→「無・零」
つまり、著者名も非常に含みのある「お笑ひ」となっているのです。

さて、ようやく本の内容に。
この本の主人公は「モチダ婆さん」という、一見質素な外見からは想像もつかない、資産家です。
そのモチダ婆さんが、破滅本に会い、セミナーに出没し、香港で海外口座を開設し、そのまま香港へ移住し、ついにはスイスのプライベートバンクへ到り、その度懐を狙われ、おそらくは最後には「Nothing」になってしまう悲しくも可笑しいお話です。
「お笑ひ」の全てを解説するのは無理ですから、私が笑ったポイントのみかいつまんでみます。

■工業製品は価値が高いほど品質や性能が良くなる
 投資セミナーは会費が高くなるほど怪しくなる
→生命保険でも、会費を徴収している生保サイトあたりも、有料だから有り難いのかどうか。
会費は徴収しなくても、都心のホテルなんかで無料セミナーを開催したり、いろいろな駅前の一等地のビルに店舗を構えてている生保代理店の無料保険相談会は、どうなんでしょう。

■高齢者は資産が減ることを嫌がる、怖がる

→稼げなくなったときの気持ちはそうなってみなければ分かりませんが、資産が減ることの恐怖を若いうちから少しでも想定しておいた方が良いでしょう。
だからこそ、現金となるものを老後になるまでに、しっかり確保しなければいけないと思うのですが。

■「投資信託は安全」のウソ

→この本を読んでおけば、銀行や証券会社に行って「株式型だと値動きが怖いけれど、債券型は安全ですよ」と販売窓口でお勧めされたとき、突っ込みどころ満載です。
ちなみに、変額個人年金、変額終身保険の場合も、この「○○は安全」に対する突っ込みは、そのまま応用できます。

■変額個人年金はインフレに強いか

→「やたらに『可能性』ばかり述べる」手法。その通りです。強い可能性も、弱い可能性もあると言うことです。

■5000円で聞ける裏情報

→「預金封鎖」を既定事実とすることで、富裕税という新税導入の計画まであたかも検討されているような話で、セミナー参加者を脅かすこと(ここでは「三枝先生という方のセミナーという設定に」)。
結果として、海外で運用される優良な(?)投信と、海外の優良な(?)保険が、資産の逃避先として紹介され、それらの即売会状態に。
そして、三枝先生は、客観的に見て良い商品でも、手数料が入らない商品は紹介しない、そうである。

■他人に厳しく自分に甘い米PB(プライベートバンク)

→これは、昨今の不祥事ニュースで、十分ご理解いただけることかと。

■うまい話には裏がある
 いや冷静に検討してみると、うまい話ですらないのだが

→これが、なかなか難しい。
裏に気が付いてから、ようやく冷静になる。これが一般的な反応でしょう。
とくに生命保険なんぞは。
だからこそ、一番うまくいかなかったときでも、確定(確保)されているものをきちんと把握すべきなのに、人間は一番うまくいったことだけ想像して、うまい話を信用してしまう訳で。


立ち読みでも笑えます。





★ムーディーズ格上げ情報

ムーディーズは、11月12日付けで、ジブラルタ生命の保険財務格付を1段階引き上げました。

●A1[新] ← A2[旧](1段階のアップ)

「A」:支払能力が良好である保険会社に対する格付け。
    しかし、将来のある時点において、支払能力に影響を及ぼしうる要因がある

→ 
http://www4.plala.or.jp/anshin/kakuduke_kigo.html


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