あんしん配達通信マガジン(月刊)


★「いちばん・・・・保険のはなし」を読んでみた(続)

またまた”ネタの宝庫”、O原H子さんの新刊「いちばん・・・・保険のはなし」(日●経●新聞社刊)です。
今回は、50ページ「究極の老後保障はやはり貯金?」の「ゲリマンダー」的な条件設定(こじつけ的な三段論法)について検討してみます。

●”若いうちから個人年金に入ると、保険ビンボーになる!?”

まず、この前提自体に重大な勘違い(”本末転倒”というべき)があります。
それは、この前提は「老後の生活費の準備」=「個人年金の加入」といった短絡(生保のおばちゃん)的な決めつけでしかないからです。
確かに、生保のおばちゃんは、このパターンで個人年金を勧めてくれますが、「老後の生活費の準備」は、個人年金以外の保険商品を活用しても可能なのです。
しかも、個人年金よりも、確定した高い利回りで運用できたうえで。

http://www4.plala.or.jp/anshin/kakesute.html

つまり、”個人年金に加入すると保険ビンボーになる”という決めつけは、実は、生命保険プランを掛け捨てにしてしまうからこそ出てくる心配であり、そもそも生命保険プランを掛け捨てにしなければ個人年金に加入する必要もない訳ですから、保険ビンボーにはならず「やはり貯金」といった結論にもならないのです。
ちなみに、掛け捨ての定義については、次のHPを参照ください。

http://www4.plala.or.jp/anshin/kakesute.html

以上をまとめてみます。
  1. そもそも生命保険プランの土台を「掛け捨て」にしなければ、老後に死亡保障を現金化(解約)することが可能ですから、それを個人年金代わりに活用することができます(ただし、土台とすべき終身保険の選択は非常に重要となります)。
    • 個人年金には死亡保障がありません(解約返戻金相当額が死亡保障となります)が、終身保険には、加入時点から死亡保障があります
    • にもかかわらず、終身保険の方が確定した高い利回りで運用できることが可能です(変額などの確定していない数字は除く)
  2. 「老後の生活費」として活用できる現金を同額準備しようとした場合、「A.」(生命保険を掛け捨てにした場合)のプランの方が「B.」のプランよりも、保険料の総負担額が大きくなってしまいます(死亡・入院の保障内容も同じとした場合でも)。
    A.生命保険(掛け捨ての保険料)+個人年金保険料
    B.生命保険料(終身保険をプランの土台にして、できるだけ掛け捨ての保険料を少なくしたプラン)

    つまり、「B.」の方が保険料を有効に活用できるうえに、貯金ができる可能性も高くなります。
  3. さらに、「A.」のプラン(生命保険を掛け捨てにした場合)を選択した場合の方が、貯金する余裕がなくなってしまう可能性が大きくなります。

結論を言えば、前回検討した”今から保険にはいるなら、絶対に掛け捨てを選ぶべき”というO原H子さんの前提がそもそも違っているために、「老後の生活費の準備」=「貯金」という”本末転倒”な結論になってしまったのではないでしょうか。
ちなみに、「老後の資金作りは50歳くらいから始めても、十分間に合う」という51ページの結びも、その年齢までに掛け捨ての保険料を、場合によっては数百万円を無駄に払ってもいい、という理由にはなりません。
定年を迎えたお年寄りは皆さんこういいます。
「手元の現金が一番有り難い」と。
そして、
「なんで、あんなに掛け捨ての保険料を払ってしまったのだろう」
「払うなら、老後の現金として役に立つプランにすべきだった」
と後悔するのです。
もっとも、今老後を迎えている方は、まだ幸せです。
退職金も公的年金も、あるいは不動産などの資産価値のアップもあり、生命保険料のマイナスくらいは、笑って済ませるからです。
でも、あなたは本当に、掛け捨て保険料となる数百万円を笑って済ますことができますか?

とりあえず、気になった項目から検討してみました。





★ムーディーズ 格下げ情報

ムーディーズは、5月2日付け(発表5月9日)で、アリコ、AIGエジソン生命の保険財務格付けを、1段階引き下げたうえで、更なる引き下げの方向で見直しました。

●アリコ     Aa2[新] ← Aa1[旧](1段階ダウン)
●AIGエジソン Aa2[新] ← Aa1[旧](1段階ダウン)

「Aa」:支払能力が優れている保険会社に対する格付け。
     Aaa格とAa格を合わせて、一般に優良保険会社と呼ばれる。
     Aaa格の保険会社と比較して長期的なリスクがやや高いとみられるため、格付けを低くしている





★ムーディーズ 格上げ情報

ムーディーズは、5月27日付けで、第一生命(2段階)、明治安田生命(2段階)、富国生命(2段階)、住友生命(1段階)の保険財務格付けを、引き上げました。

●第一生命   A3  [新] ← Baa2[新](2段階アップ)
●明治安田生命 A3  [新] ← Baa2[新](2段階アップ)
●富国生命   Baa1[新] ← Baa3[新](2段階アップ)
●住友生命   Baa3[新] ← Ba1 [旧](1段階アップ)

「A」  :支払能力が良好である保険会社に対する格付け。
      しかし、将来のある時点において、支払能力に影響を及ぼしうる要因がある
「Baa」:支払能力が適切である保険会社に対する格付け。
      しかし、長期的にみた場合、確実性を支える要素のいくつかが欠けているか、その性格上、信頼性が不足している部分がある

■ HP更新情報

”「掛け捨てではない」の2通りの意味”を追加しました。

http://www4.plala.or.jp/anshin/kakesutedehanai.html





★ムーディーズ 格上げ情報

情報が前後してしまいましたが、ムーディーズは、5月26日付けで、太陽生命(1段階)、大同生命(2段階)、三井生命(2段階)、日本生命(2段階)の保険財務格付けを、引き上げました。

●太陽生命 Baa1[新] ← Baa2[旧](1段階アップ)
●大同生命 A3  [新] ← Baa2[旧](2段階アップ)
●三井生命 Ba1 [新] ← Ba3 [旧](2段階アップ)
●日本生命 A1  [新] ← A3  [旧](2段階アップ)

「A」  :支払能力が良好である保険会社に対する格付け。
      しかし、将来のある時点において、支払能力に影響を及ぼしうる要因がある
「Baa」:支払能力が適切である保険会社に対する格付け。
      しかし、長期的にみた場合、確実性を支える要素のいくつかが欠けているか、その性格上、信頼性が不足している部分がある
「Ba」 :支払能力に疑問がある保険会社に対する格付け。
      これらの会社の保険契約債務支払能力はやや低く、したがって将来の支払に関して安全性が十分でない場合もある


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