保険屋(FP)選びのコツは? 医者選びのコツから考える |
今回は、週刊新潮(19年5月3・10日号)に連載されている「健康【狂】時代」(医学博士 中原英臣)を、ほとんど引用したうえで、保険屋(あるいはFP。つまりあなたの生命保険を任せる人)選びのコツを考えてみたいと思います。
医者選びのコツは「相性」と「目」普段から健康管理をしてくれるホームドクターに名医を選びたいと思っても、いざ名医を探すとなるとなかなか難しいものです。
そもそも名医とはどういう医者か、はっきりしませんが、腕のいい医者を名医と呼ぶことに異論を唱える方はいないと思います。
しかし、一口に腕がいいといっても、ピタリと当たる診断をするのと上手な治療をするのとでは、まるで違います。
私の痛風は今から28年前、留学先のミズーリ州セントルイスから帰った直後に発病しました。
突然、足関節の痛みにおそわれた私を診察した整形外科の教授は、痛み止めを関節内に手早く注射してくれました。
関節に針を刺したのにまったく痛みを感じなかったし、足の痛みも嘘のように消えたので、「さすが名医は違う」と思いました。
ところが翌朝、目が覚めると再び強烈な痛みが襲ってきました。
そこで痛み止めを打ってもらおうと病院の廊下を松葉杖を頼りに歩いていると、向こうからやってきた病院長が、私の姿を見るなり「どうした、アメリカでステーキを食いすぎたんだろう」といったのです。
病院長は私がセントルイスで暮らしていたことを知っていた。
アメリカのど真ん中にあるセントルイスのスーパーには、海のサカナがないので肉ばかり食べていました。
病院長はそうした私の生活習慣を察したうえで、一目で「痛風」と診断したわけです。
整形外科の教授も名医には違いありませんが、痛風と瞬時に診断した病院長の方が真の名医といえるでしょう。
そこでホームドクターになってもらう主治医について考えてみましょう。
結論から先にいいますと、すべての人にとって名医といえるホームドクターはいません。
100人の方がいれば、100通りの名医がいます。
あなたにとって名医が別の人にも名医であるとは限りませんから、いくら親戚や友人が名医といって紹介しても遠慮してください。
とくに上司など目上から紹介してもらうのだけはタブーです。
紹介されたホームドクターをあなたが名医と思えなくても替えることができないからです。
上司から「どうだ、あの先生は」と聞かれた時に、まさか「気にいらなので替えました」とはいえないでしょう。
ホームドクターを選ぶときのキーワードは「相性」です。
医者も人間ですから十人十色でいろいろな医者がいます。
無口で怖い医者もいれば、やたら愛想がいい医者もいます。
豪快な医者がいるかと思うと、ひどく神経質な医者がいます。
患者さんにも、病気について納得できるまで説明されないと気がすまない方もいれば、逆にあまり詳しく説明されるとしつこいと感じる方もいます。
医者として腕さえしっかりしていれば、後はフィーリングが合うかどうかです。
フィーリングはホームドクターを選ぶときの大切な物差しです。
そうはいってもフィーリングだけでは心許ないという方には、ホームドクターは自分と同じくらいの年齢の医者を選びなさいと申しあげたい。
年齢が近いと話が合うというわけではなく、自分より年齢が高いと先に死ぬ可能性があるので、あらためてホームドクターを探すはめになります。
また、こちらの目を見て説明する医者を選びましょう。
カルテを書きながら話す医者など論外です。
視線を合わせて話すことはコミュニケーションの基本です。
どうかにあなたにとっての名医を見つけ、その医者と信頼関係を築いてほしいものです。
というわけで、「名医」「医者」「ホームドクター」を「FP」に置き換えて読んでみても、余り違和感がないのではないでしょうか。
もっとも、医者とFPでの違いもあります。
医者の場合は、国家資格を全員が保有していますが、FPは資格がなくても“自称”できます(生命保険を販売するために、生命保険の募集人登録試験に合格する必要がありますが、不合格になるのが難しいような試験ですので、資格とまでいえないでしょう)。
一定のレベルのFPを探す必要があるでしょう。
紹介についても、まず会ってみなければ「相性」が会うかどうかは分かりませんから、絶対に駄目ということでもないと思います。
ただし、上司・目上の紹介を受けた後で、やはり断るのは難しいのではないかとも思います。
したがって、会ったうえで断っても(加入しなくても)、人間関係が壊れない相手からの紹介であること、これが紹介を受ける際の必須条件といえるでしょう。
また、システマチックに紹介を得ようとする生保営業のスタイル(お会いして生命保険の話を聞いた人から、知り合いを3人紹介してもらう)がありますが、これはこれで、紹介する側にも紹介される側にも負担がかかりかねません。
本来の紹介とは違うと考えた方が良いかもしれません。
年齢についてですが、これは読者の対象年齢が50歳を超える前提で書かれているのではないかと思います(どう考えても、週刊新潮の読者が、20歳代と30歳代に集中しているとは思えませんので)。
医者もFPも、一定の経験が必要です。
いくら自分の年齢が若いからといって、駆け出しの医者やFPを選ぶ必要はないでしょう。
ただし、一生お付き合いしていこうと思うのなら、やはり余り年齢が高い方を選ぶのは止めた方が良いかもしれません。
むしろ、混乱してしまいましたか?
ホームドクター選びも、保険屋(FP)選びも、絶対の正解はない、ということなのです。
また、生命保険商品にしても同様に、これまた絶対の正解がありません。
人気投票のようなランキングを参考にすることは役に立ちますが、鵜呑みにしても意味はありません(“自称”生命保険のプロが、自分が売りたい商品をお勧めするランキングでしかありません)。
保険料を払ってまで加入する価値があるのかどうか、人の評価ではなく、自分の評価で考えることが、生命保険の商品選びで外れを引かないコツといえるでしょう(皆さんは正解だと思って、ほとんどの方が外れを引いてしまうのです。それも何度も何度も)。
一ついえることは、雑誌などのランキングで上位だったから良い商品、そんなセールスをするFPは止めた方が良いということでしょうか。
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