「顧客満足度1位に選ばれました」って、本当に言える?


こんないい加減なTV−CMの内容に、いちいち目くじらをたてるのは大人気ないとも思うのですが、各経済誌のランキングなどをウォッチしている身としては、TVという公共の媒体(ただし、金儲けのためには、無分別にサラ金のTV−CMを垂れ流す姿を見ても、残念ながら、マスコミ全体が、“公共”という概念を捨て去ったようですが)で恥ずかしげもなく、正確さを欠く情報を意図的に垂れ流す姿勢について、視聴者に注意を促す意味で、アリコに苦言を呈したいと思い、あえてまとめてみます(ただし、あくまでTV−CMについての感想であり、商品内容の善し悪しについての感想ではありませんので、誤解のありませんように)。

と思い正確を期すため、アリコのホームページ(
http://www.alico.co.jp/)を確認してみたのですが“敵も然る者”、TV−CMはホームページにアップされていませんでした(しかも、ここ最近は「顧客満足度1位」のTV−CM自体も流れていないようで)。
したがって以下の内容は、TV−CMを見た記憶(一般的な視聴者が感じる印象)での記述となりますので、微妙な食い違いはご容赦ください。
とはいえ、流石はアリコ。
TV−CMはその場限りの“消えもの”と割り切り、「あくまでも契約者が、勝手に勘違いするようにし向ける」、そのぶれのない広告戦略(TVに限らず、ラジオ、新聞、雑誌、DMまで)は、天晴れといいたくなります。

ところで、なぜ今頃になってアリコは、昨年の秋に発売された「週刊東洋経済(2005年10月22日号)」の特集“今、一番「使える」金融機関ランキング 670”の、それも一部分でしかない“生保「正味満足度」ランキング”をことさらアピールしなければいけなくなったのでしょうか。
そのキーワードは、「AAA(トリプル・エー)」なのですが、皆さんはお気づきでしたか。
一時、アリコのTV−CM(広告)には、枕詞のように流れていた「AAA」ですが、最近耳にしないと思いませんか。
そうです。
実は、アリコの格付けは、アメリカの本体AIGの粉飾決算がらみで,2005年に格下げとなっており、最大のセールストークである「AAA(Aaa)」(S&P、ムーディーズとも)が使えなくなっていたのです。
で、いろいろな経済誌のランキングの中から、一番アピールできそうな、「顧客満足度1位」を選択したと言うことなのではないでしょうか。

ちなみに、直近の他経済誌(紙)のランキングを見てみると。
●日経金融新聞  「営業力」ランキング   総合
15位/18社
●週刊エコノミスト「信頼度」ランキング   総合
10位/23社
●週刊ダイヤモンド「生保信頼度」ランキング 総合
 5位/23社(契約者評価6位/23社)
と、とても芳しいとは言えない結果になっています。

そもそも、顧客満足度1位の根拠となっている「週刊東洋経済(2005年10月22日号)」の特集“今、一番「使える」金融機関ランキング 670”でも、生保総合ランキングは1位ですらないのです。
その特集には、生保関係のランキングが4つ掲載されているのですが、その中の1つである「生保“正味満足度”ランキング」のみが1位であるに過ぎず、他のランキングは次の通り1位ではありません。
●生保総合ランキング     
9位/25社
●正味満足度ランキング    
1位/17社
●満足度ランキング      
6位/17社
●正味請求時満足度ランキング 
2位/17社
では、「正味満足度」と「満足度」と何が違うかと言えば、正味満足度には「乗り換え先」として選ばれたポイントが加味されているといった違いでしかありません(もちろん、アリコは広告宣伝費を十分にかけているだけのことはあり、乗り換え先の順位では、アメリカンファミリーに次いで2位となっています)。
とはいえ、TV−CMで“満足度1位”というのなら、本来は「正味満足度1位」ときちんと言わなければ、正確さを欠くことになるのではないでしょうか。

つまり、アリコは「嘘はついていないが、本当のことも言っていない」という、TV−CMとしては非常に真っ当な内容で、自社をアピールしているわけです(これは、ほとんどのアリコのTV−CMに共通した“ポリシー”とも言えるでしょうし、他生保のTV−CMにも、同じような“ポリシー”が感じられます)。
ただし、TV−CMとしての落ち度はないにしても、「嘘はついていないが、本当のことも言っていない」と誤解されかねない引っかけ的なTV−CMそのものは、保険会社としての「見識」を疑わせるには十分な内容とも言えるでしょう。
保険会社は、「如何に誤解を与えないか」(パンフレット、提案書等も含めて)ということに意を注ぐべきであるのに、未だに、金融庁や生保協会、広告代理店が何にも言わないからといって、顧客の欲を逆手に取ったうえで、「うまい話」があるかのように煽り立てるTV−CMを垂れ流す姿勢は、本来の生命保険会社の使命を忘れたようにしか見えません。
「勝手に誤解する顧客が悪い。そんなうまい話がある訳ないだろう」といった、開き直りとも言えるポリシーを感じるのは、私だけではないはずです。
というわけで、その程度のTV−CMに、皆さん騙されないように、十分ご注意ください。
あとで、本当のことが分かっても、あくまでも契約(申込)は「自己責任」であり、後で気がついても、お金は返ってきませんから。

http://www4.plala.or.jp/anshin/toyo_05.10.22.html
http://www4.plala.or.jp/anshin/nikeikinyu_05_11_29.html
http://www4.plala.or.jp/anshin/W_economist_05_12_20.html
http://www4.plala.or.jp/anshin/W_Diamond_06_02_18.html




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