生保17社 2006年9月期 “営業力”ランキング

“「コンサル型」生保躍進”といえるのかな?

日経金融新聞(2006年11月28日付)





恒例の「日経金融新聞」の生保ランキングです。
ランキング名は、前回と同じ“営業力”ランキングですが、毎度のこと、今回も指標の半分の2指標が変っております。
●契約獲得力(新契約年換算保険料増減率) ← 新市場開拓力(第三分野の新契約年換算保険料増減率)
●契約継続力(解約失効率)        ← 販売効率(事業費÷保険料収入)
なお、前回のランキング(総合順位)を一切記載していないことを考えると、日経金融自身が、このランキングに継続性を求めていないと言うことがよく分かります。

顧客基盤(保有契約件数)については前回も指摘したとおり、基本的には社歴の古い生保の方が有利と言える指標です。
また、指標を保有契約件数とした場合、構成員規制の対象とならない「第3分野」の契約も1件とカウントされるため、日米保険協議で2000年まで医療保険やガン保険、介護保険の販売を独占できた外資系生保も、社歴が古い生保とともに有利となる指標といえるでしょう。
とはいえ、顧客基盤というのなら、そもそもの保有契約件数が純減している生保は、顧客基盤が劣化しているといえるはずですから、単純に保有契約件数が多い順でポイントを付けるのは、非常にお粗末だと思われます。
そこで、顧客基盤の指標については、「保有契約件数」ではなく、「保有契約件数の増減率(前年度末比)」で補正をしてみました。

次に、契約獲得力ですが、新契約年換算保険料増減率(前年同期比)で加点しています。
前回は「第三分野の新契約年換算保険料の増減率」を指標にして、「新市場開拓力」という項目建てとなっていました。
なぜ今回は“第三分野”に限定しなかったかですが、前回指摘したとおり、この指標は大手生保の回復を印象づけるために選ばれた期間限定の指標だったためで、大手生保でも第三分野の販売が一巡してしまったため、指標に意味がなくなったためではないかと思われます。
ところで、この指標の問題点は、あくまで「前年同期比」である点で、昨年の同期に営業が不振だった生保ほど、今期の増加率が多くなってしまいかねない懸念があります。
今期で言えば、ジブラルタ生命が、それに当たります。
前年度末(2006年3月期)比の保有契約件数の増減率は99.6%で、100%を割っているにもかかわらずです。
新契約を獲得しても、基盤となる保有契約が減少しては意味がないはずなのですが、そういった意味でも、この指標の必然性はないように感じます。
と言うわけで、同じ指標ではありますが、より最近のトレンドが分かるように、“前年度末比”の新契約年換算保険料(個人年金保険を除く)増減率で補正してみます。

成長力については、「成長力」は指標も前回と同じ「保有契約年換算保険料の増減率(前年度末比)」です。
この指標は妥当といえますが、それならば、わざわざ「契約獲得力」で「新契約年換算保険料の増減率」で順位を付ける必要があるのでしょうか。
「契約獲得力」とかぶるような指標を使ったように見えてしまいます。
とはいえ、成長力は「保有契約年換算保険料の増減率(前年度末比)」のまで。

契約継続力(解約失効率)は、前回にはなかった項目で、「販売効率(事業費÷保険料収入)」と入れ替わりになっています。

ということから、今回も指標を補正して、ランキングを作り直してみました(ただし、この補正をしたから正しいランキングだと言うことではありませんので、お間違いのないように。どんなランキングでも、指標の選択や加工・補正次第で、特定の生保を良くも悪くも見せることが可能である、ということが感覚としてお分かりいただければと思います)。
さて、補正前と補正後、どちらのランキングが、より
決算内容をより正確に反映しているでしょうか。
ご自分でご判断ください。
どんなランキングにも、すべて意図があるはずですから。
感想を言えば、補正後の方がしっくりくる感じはあります。

もう一つ、突っ込みどころがありました。
記事のリード中に、“コンサル型”生保が躍進した理由として、「昔ながらの人海戦術だけでなく」という記述があるのですが、今回ランキング首位となったジブラルタ生命の紹介文中には、「男性中心の営業職員を前年同期より“約600人増”の約5900人に増強し営業力を高めた」という、相反する記述があります。
ようは、ジブラルタ生命に関して言えば、男性の営業職員がコンサル型営業を行ったことよりも、実際はその数を11%強も増やしたことが、功を奏したと言うことになるわけで、これはもろに「人海戦術」と言うことになるのではないでしょうか。
つまり、今回のランキングを象徴するはずの「“コンサル型”生保の躍進」という新聞タイトルについても、実際、2位はソニー生命ですが、3位、4位と大手生保ですから、“コンサル型”生保が躍進とまで言えないのではないでしょうか。
そもそも“コンサル型営業”が何を指すのかもハッキリ定義されていないわけで、まさか「男性の営業職員が増えれば」とか、「パソコンを持ち歩いているからとか、」「外資系だから」“コンサル型”になる、なんて定義ではないとは思いますが(印象としては、ジブラルタ生命は“コンサル型営業”というよりも、特定マーケットに強い“職域型”のように思えますが)。
もっともこれはいつものことで、「“コンサル型”生保の躍進」というのが今回のランキングのお題目だったと言うことなのでしょうし、前回大手生保を持ち上げた手前、今回は外資系生保を持ち上げてバランスをとったと言うことなのかもしれません。
このランキングを、余り真剣に考えない方が良いのかもしれません。




総合順位
補正後の総合順位
S&P
格付

ジブラルタ

55

東京海上日動あんしん

61
AA−

ソニー

53

ソニー

59
A+

日本

46

プルデンシャル

47
AA−

第一

44

アリコ

43
AA+

東京海上日動あんしん

43

富国

40
A−

住友

42

ジブラルタ

AA−

アリコ

39

アフラック

36
AA

アフラック

アクサ

35
AA−

朝日

38

朝日

BB−
10

プルデンシャル

37
10

第一

33
11

明治安田

31
11

日本

31
A+
12

アクサ

30

大同

13

富国

29

住友

BBB
14

大同

24
14

三井

30
BBB−
15

AIGスター

22
15

AIGスター

29
16

三井

21
16

明治安田

26
A−
17

太陽

20
17

太陽



顧客基盤
補正後の順位
保有契約件数(万件)
<補正後>保有契約件数増減率

東京海上日動あんしん

215

4点

104.8%

17点

ソニー

399

9点

103.8%

16点

アリコ

608

11点

103.2%

15点

プルデンシャル

205

2点

102.4%

14点

アフラック

1,823

17点

101.6%

13点

朝日

838

12点

100.5%

12点

富国

373

6点

住友

1,122

13点

99.9%

10点

第一

1,263

15点

99.7%

9点
10

大同

214

3点

99.6%

8点

ジブラルタル

387

8点
12

アクサ

384

7点

99.5%

6点
13

三井

335

5点

99.0%

5点
14

日本

1,578

16点

98.9%

4点
15

AIGスター

172

1点

98.5%

3点
16

明治安田

1,128

14点

98.3%

2点
17

太陽

461

10点

97.4%

1点


契約獲得力
補正後の順位
新契約年換算保険料の増減率
(前年同期比)
<補正後>個人保険の新契約年換算保険料の増減率
(前年度末比)

東京海上日動あんしん

1.1%

12点

52.60%

17点

明治安田

▲8.7%

9点

52.39%

16点

ソニー

7.5%

16点

51.32%

15点

アクサ

▲9.8%

8点

51.28%

14点

大同

1.0%

11点

51.07%

13点

日本

7.0%

15点

50.83%

12点

三井

▲26.9%

2点

49.55%

11点

AIGスター

▲13.0

5点

48.68%

10点

第一

5.3%

14点

47.03%

9点
10

アフラック

▲10.0%

7点

45.67%

8点
11

朝日

▲4.7%

10点

45.21%

7点
12

富国

▲30.5%

1点

45.07%

6点
13

住友

2.3%

13点

44.93%

5点
14

アリコ

▲15.2%

4点

44.24%

4点
15

太陽

▲11.9%

6点

42.22%

3点
16

ジブラルタ

73.3%

17点

40.36%

2点
17

プルデンシャル

▲24.0%

3点

39.20%

1点


成長性(保有契約年換算保険料の増減:前年度末比 %)

ジブラルタ

6.0%

17点

アリコ

5.7%

16点

プルデンシャル

5.4%

15点

AIGスター

4.5%

14点

東京海上日動あんしん

4.2%

13点

ソニー

3.1%

12点

アフラック

2.2%

11点

住友

1.2%

10点

大同

0.8%

9点
10

第一

0.1%

8点
11

富国

0.0%

7点
12

日本

▲0.0%

6点
13

朝日

▲1.1%

5点
14

三井

▲1.6%

4点
15

明治安田

▲1.9%

3点

アクサ

17

太陽

▲2.2%

1点


契約継続力(解約失効率 %)

プルデンシャル

2.30%

17点

ソニー

2,81%

16点

富国

2.99%

15点

東京海上日動あんしん

4.20%

14点

ジブラルタ

3.20%

13点

アクサ

3.21%

12点

朝日

3.23%

11点

三井

3.36%

10点

日本

3.48%

9点
10

アリコ

3.53%

8点
11

第一

3.64%

7点
12

住友

3.80%

6点
13

明治安田

3.82%

5点
14

アフラック

4.10%

4点
15

太陽

4.26%

3点
16

AIGスター

4.30%

2点
17

大同

4.41%

1点





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