「三大疾病になったら(と診断されたら)」の内容とは

知っている人には、非常に当たり前の話ですが、念のため。
いわゆる
・特定疾病定期保険(特約)
・特定疾病終身保険
・三大疾病による保険料払込免除(に関する)特約
などの
●ガン(悪性新生物)
●急性心筋梗塞
●脳卒中
といった「三大成人病」になったら(と診断されたら)、
・保険金の給付
・保険料の払込免除
などが受けられる保障が、各生保(損保)から発売されています。

ただ、生命保険にはうまい話がありませんので、実際は「三大成人病」になった(診断された)だけでは、給付(保険料の免除)を受けることができません。

以下は、一般的な生保の約款の内容(抜粋)ですが、ここに、うまい話でない理由がちゃんと書かれています(最終的には、ご自分で約款をご覧になって、ご確認ください)。
●ガン(悪性新生物):初期段階のがん(上皮内癌)は、保険金給付(保険料払込免除)の対象となりません。
           つまり、どんな癌でも対象になる、わけではありません。
●急性心筋梗塞   :心臓病なら何でも対象になる、わけではありません。
           また、急性心筋梗塞と診断されても、必ず保険金給付(保険料払込免除)の対象となる、わけではありません。
●脳卒中      :脳血管障害なら何でも対象になる、わけではありません。
           また、脳卒中と診断されても、必ず保険金給付(保険料払込免除)の対象となる、わけではありません。

こう考える、下記の疾病の状態になるとすれば、年齢が若いうちよりも老後の方が、遙かに可能性(リスク)が高いことが分かります。
とすれば、そのような保障を、わざわざ保険料を払って備えるべきなのか、その保険料を貯金した方がいいのか、十分考えることが必要となってきます。
また、10年更新など、途中で保険料がアップする形で設計されている場合、下記の疾病の状態になるリスクが低い時期のうちは、保険料が割安に見えますが、それはリスクが低いから保険料の負担が軽いだけで、良いものが安く確保できているわけではありません。
むしろ、リスクが高くなる年齢では保険料の負担が急激(数倍)にアップし、しかもその時期になると働いて収入が得られなくなることが予想されますから、下記の疾病に状態になるのが先か、保険料負担が耐えられなくなるのが先か、そんな不幸な我慢比べになってしまいかねません。
という視点から考えると、「死んだら」と「入院したら」をまずきちんと老後になっても確保できる(保険料の払込が終わった後も保障が残せているか)かどうかが保険プランの優先事項であり、それ以外の保障に注目してプランを選択しようとするのは(加入した時点での保障内容と、保険料だけで選択するのも)、あまりお勧めできないと言うことになります(もちろんお金に余裕があるのなら、どんどん保険料を注ぎ込んでいただいても構いませんが)。
疾病名
疾病の定義
分類項目
保険金を支払う場合
悪性新生物

情悪性腫瘍細胞の存在、組織への無制限かつ浸潤破壊的増殖で特徴付けられる疾病(ただし、上皮内癌、および皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚癌を除く

・口腔および咽頭の悪性新生物
・消化器および腹膜の悪性新生物
・呼吸器および胸腔内臓器の悪性新生物
・骨、結合組織、皮膚および乳房の悪性新生物のうち、
  ・骨および関節軟骨の悪性新生物
  ・結合組織およびその他の軟部組織の悪性新生物
  ・皮膚の悪性黒色腫
  ・女性乳房の悪性新生物
  ・男性乳房の悪性新生物
・泌尿生殖器の悪性新生物
・その他および部位不明の悪性新生物
・リンパ組織および造血組織の悪性新生物

被保険者が責任開始以後、保険期間中に初めて悪性新生物に罹患し、医師により病理組織学的所見(生検)によって診断確定されたとき

急性心筋梗塞

冠状動脈の閉塞または急激な血液供給の減少により、その関連部分の心筋が壊死に陥った疾病であり、原則として以下の3項目を満たす疾病
1.典型的な胸部痛の病歴
2.新たに生じた典型的な心電図の梗塞性変化
3.心筋細胞逸脱酵素の一時的上昇

虚血性心疾患のうち
・急性心筋梗塞

被保険者が責任開始以後の疾病を原因として、保険期間中に次のいずれかの状態に該当したとき

急性心筋梗塞を発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を要する状態(軽い家事等の軽労働や事務などの座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態)が継続したと医師によって診断されたとき

脳卒中

脳血管の異常(脳組織の梗塞、出血、ならびに頭蓋外部からの塞栓が含まれる)により脳の血液の循環が急激に障害されることによって、24時間以上持続する中枢神経系の脱落症状を引き起こした疾病

脳血管疾患のうち
・くも膜下出血
・脳内出血
・脳動脈の狭塞

脳卒中を発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき



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