●●●●● 10月のトピックス ●●●●●
すでに折り込み済みだったとはいえ、
とうとう千代田生命が破綻しました。
原因や今後の保障については新聞やTVで
いろいろ分析されるでしょうが、
責任は千代田生命だけにあるのでしょうか。
私なりに考えをまとめてみました。
千代田生命について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそも千代田生命の破綻が時間の問題であることは、マスコミもお役所も知っていたはずです。
知らなかったとしたらその能力が疑われるでしょう。
にも関わらず、その情報の受取手には十分に情報が提供されていませんでした。
どうしてそこまで言い切れるのかというと、少なくとも役所(現時点では「金融庁」)では「他社生保の誹謗中傷」という大義名分(保険業法300条)のもと、生保関係者に対して一切、他社の格付けやソルベンシー・マージンにかんしてのコメントの禁止を徹底していたからです(生保検査でも非常に厳しいチェックがされてると聞いています)。
例えば、千代田生命に加入している方に対しても、財務内容の悪化についてのアドバイスをできなかったわけです(新聞記事や雑誌記事を提示することも禁止されています)。
とくにこれは良心的な生保ほど徹底していると思われますから、本来情報を受けることのできる加入者に情報を提供できなくした点で、役所はあえて加入者の利益より千代田生命の延命を選んだとしか思えません。
次にマスコミについてですが、どう考えても知っていながらCMを流し続けた罪は大きいと思います。
少なくとも、私はCMを見ながら、この日のあることを心配していました。
千代田生命はウルトラマンのCMを流していましたが、そのCMを鵜呑みにして、他社の健全な生保から乗り換えていたとしたら、どう考えても千代田生命破綻の傷口を広げたと思われます。
CMも商売なんだからと言えばそれまでですが、それならば生保の財務情報もきちんと公表する番組を放送すべきでした。
なぜなら、消費者には金融庁の横やりで正しい情報が、あるところで遮断されていたわけですから(金融庁がそういう方針だということでも、消費者に知られていたら、どれほど結果が違ったか)。にもかかわらず、他人事のように千代田生命破綻のニュースを流すTV局の厚顔無恥は、今に始まったことではないにしても腹が立ちます。
さらにCMについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
CMについては、まだいいたいことがあります。
生保のCMについていえば、あんなにセールス自体にはああだこうだと金融庁のお達しがあるのに、CMは野放し状態といえます。
気になるCMとしては、生保のCMなのに「おとく」といってしまっているCM。
これなどは、生保で得などと言うこと自体が、商品内容を間違って受け取られる恐れが非常に高いと言えます。
「入っていて良かった」というCMも、生命保険というものが、みんなが良かったといえるわけではないので、著しい誤解を生じさせてしまうと思います。
「介護の○○生命」「運用の○○生命」と言ったCMも何の根拠もなく、かつ臆面もなく流されていますが、この手のフレーズも?です。
「50万件突破」なんていうのも、新規加入者の数と誤解させる点で、かなり確信犯的なごまかし手口です。
似たようなものに、保険の給付金が1番と言ったものがありますが、何にたいしてなのかきちんと明示(小さな文字を画面にいれてもそれは明示とは言えません)していない点で、誤認をさせているとしか思えません。
最近気になったCMですが、「その日から入院できます」的なフレーズのものが放送されています。
でも考えてください。
加入した当日から役に立つような人は基本的には生命保険に加入できません(つまり健康状態が普通の人より悪い方は加入できません)。
たまたま事故で入院したときには、確かにその日から使えますが、これは非常に確率の低い話です。
にもかかわらず、「その日から入院できます」というのはウソではないにしても、ウソまがいの屁理屈です。
なぜこういった消費者を惑わす「優良誤認」CMが多いのでしょうか。
監督官庁やTV局などは無関係なのでしょうか。
結論としては、「CMは信じない」になってしまいます(もっとも、生命保険のことを十分知っていれば、苦しいCM流しているナー。経営が苦しいんだろうナー。なんて楽しみ方もできますが)。
CMについて 余談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
蛇足でCMがらみの話をもう一つ。
千代田生命の破綻の前に、KSDの不明朗経理がニュースになりました。
ここもCMを頻繁に流していました。
有名男優と売れない女性演歌歌手と言う組み合わせのCMでしたが、ご覧になってどういう印象をお持ちでしたか。
私は、非営利の団体がこんなに頻繁にCMを流しているのは何か変だなと思っていました(実際のCMを流していたのは豊明会という下部組織というような使い分けになっていたのでしょうが)。
しかも、CM出演者が有名男優と売れない女性演歌歌手と言うのが、いかにも有名人を使って組織の信用力を高めようとするお騒がせ商法に似通っていますし、売れない歌手というのは理事長が贔屓にしているからと言うような公私混同の理由が見え見えだったからです。
ここでも監督すべき労働省は全くの無力でした。
中小企業から労働省の名前でお金を集め、その一部を会員の福祉とは別な事(天下りの役人をたくさん雇ったり、政治献金をしたり)に費消していたのは、CMを見る限り間違いないのではないでしょうか(あくまで私見です。真実は、きちんと新聞を読んでね)。
皆さんもCMを見るときには、裏側を見て参考にしましょう。
・有名人が出ているから信用できるとは限らない
・役所の認可があるからと言って信用はできない
・公的な機関のはずなのに身分不相応にCMを流している
・あいまいな数字を、意味ありげに使っている
・すごくおとくに思える
こういったポイントは押さえておいた方がいいでしょう。