●●●●● 10月のトピックス ●●●●●

 

++++生保パンフレット、提案書の見方の心得+++++++++++++++++++++++++

勉強熱心な方に限って、いろいろな生保の商品をパンフレットや提案書をかき集めて、一生懸命比較検討されてしまいます。
「比較すればいい生命保険プランが見つかる」という信念による行動だと思いますが、それは大きな勘違いです。

■ 正解な生命保険プランはない 
まず、この点をきちんと認識されないと、生命保険プラン自体を選択することができません。
場合によっては、「もっと良い保険が出るかもしれないから、しばらく加入を待っていた方がいいのかも」なんてことにもなりかねませんが(これではパソコンと同じですね)、生命保険プランというのはご自分のニーズに一番(と思えるようにするために、真のニーズを把握しなければいけません)あっているかどうかを考えたうえで、ご自分が選択しなければいけないもので、他の人がどんなに良いと思っても自分にとっては無意味なプランの場合もあります。
したがって、パンフレット上に溢れかえるメリットが本当に自分がほしいものなのかどうかを十分に検討しなければいけません。
でないと、メリットと思っていたことが、実際は加入してからデメリットであることに気づくことにもなりかねません。
また、自分のニーズというのも曲者です。
簡単に言えば、皆さんはセールスの方に誘導されて、それがニーズだと思いこまされているケースがとても多いのです。
「絶対にこれが必要。こうしたい」というニーズと「あればいいな。あってもいいか(=なくても困らない)」程度のニーズが同じレベルのニーズと勘違いさせられて、肝心なニーズを犠牲にしたプランにしてしまう、なんてことはありがちです(皆さんは「あってもいいか」レベルの保障を真のニーズと思いこんで、そこを一生懸命比較して、良い保険プランを選択したつもりになっていませんか)。
話が脇にそれてしまったようですが、「自分の正確なニーズなくして生命保険プランなし」であり、「それにさえ加入すれば一生安泰といった”正解な生命保険プラン”は存在しない」ということを、まず認識ないと、青い鳥を追い求め、場合によっては何年かに一度「転換」をし続ける、一番損な加入の仕方になってしまいます。

■ 生命保険と思っているものは、正確には「生命保険プラン」 
ところで、皆さんは生命保険の商品はたくさんありすぎて選択に困ると思っていませんか?
でも、それは大きな勘違いです。
皆さんが生命保険と思っているものは正しくは「生命保険プラン」(主契約に特約を付加したもの)で、しかも、すでに生命保険会社がいい商品に見えるようにおまけ(あまり役に立たない特約など)をたくさん付けた後の「セット商品(お仕着せとでもいいますか)」なのです(主契約となる生命保険は、3つしかありません)。
そして、2年か3年すると、またぞろこれまで販売していたセット商品に、ちょっと目先の変わった特約などを追加することによって、「新しい生命保険」として大々的に発売するわけです。
生命保険会社としては、これによって「転換」を促進できるため、既契約者から何度も契約を獲得できる素晴らしいセールス手法となりますが、契約者にとっては、どうでもいい特約(とてもそのリスクが低いか、その保険期間内では役に立たない内容のもの)を追加した程度で「業界初」だの「日本初」だのといわれて、どんどん保険料無駄にしてしまうことになります。
そして、生命保険会社は「保険は新しいほどよくなります」と、セールスの際にはいう訳で、その中身はおまけが追加されただけで、本質的な部分ではむしろ悪くなっている場合であっても、そのどうでもいいような特約をメリットとして強調して、「新しい保険はメリットが増えた」といったセールスを行うわけです。
で、パンフレットだけで一生懸命に商品比較をされている方は、これらのおまけをメリットと勘違いさせられて、例えば30歳から40歳になる10年間におそらく役に立たないだろうと思われる特約のために、生命保険プランを乗り換えたりするわけです。
そこで原則ですが、「そのプランは古い」なんて言うセールスは信用できません。
生命保険プランに古いも新しいもありません。
あるのは加入者のニーズ(でも、ニーズを誘導されてはいけませんよ)であり、それにあっているかどうかだけなのです(加入後に変わると言うことは当然ありますから)。

■ 生命保険に入れば一生安泰か? 
さらに、原則をもう一つ。
「この保険に入ったら、一生大丈夫」なんてセールスはありがちですが、そんなものはありません。
どこかの時期に、何かになったら、お役に立ちますとは言えても、あなたの人生のすべての不幸を取り除いてくれる生命保険なんてものはありませんし、あったらみんなが入っていますよね。
たしかに、ほとんど保険料を払っていない時期に何かあって給付金があったら「得した」とは思うでしょう。
だからといって、得をするために病気になりたいと、普通の人は思いません。
実は、皆さんは「生命保険は所詮掛け捨てなんだから、何かになったら、いろいろな給付が出た方が得」だと無意識のうちに考えています。
そこで、大きな心配と小さな心配に優先順位を付けずに、ごちゃ混ぜにして、何でもかんでもリスクのあるものには給付があった方が得で、保険金額(給付金額)も大きければいいと考えてしまうのです。
でも、本来はその心配はどの程度の確率なのかを十分検討しなければ、本当にわざわざ生命保険で保険料を払って、そのリスクを回避する必要があるのかは分からないはず。
でもそのリスクの大きさが分からないと言うあなた、そんなときは提案書に記載の、保険料の内訳をご覧ください。
主契約や特約の保険料がそれぞれ記載されているはずですが、その保険料が数百円程度だったら、その保険期間内にはほとんどリスクがないと思っていいと思います。
通常の生命保険プランの場合で、メリット強調型のセットプランの場合、特約の保険期間は10年か15年です。
したがって、その期間のリスクは、その保険料が身をもって証明しているわけで、安くてこんなに手厚い保障が盛りだくさんとパンフレットに記載されていても、そのための保険料が安いと言うことは、今後の10(あるいは15)年間でそういった保険金の請求をする事態が起こる確率が非常に少ないということを自ら公言しているわけで、それを付けること自体、本当に自分にとってメリットなのかどうか十分に考えなければいけません。

■ 「○○になったら給付金が出ます」とはならない
パンフレットには、「○○になったら、○○○万円」なんて簡単に書いてありますが、それで給付があるのは、死亡と入院くらいのもです。
あとは、条件が一つではなく複数になってしまう、「○○になった」としてもそれだけでは給付がでない場合があります。
簡単に言えば、死亡と入院は給付のための関門が一つですが、その他のメリットに見える特約のほとんどは、関門が2つ以上で、なかなか給付金が出る条件にはならないと思った方がいいと思います。
しかも、皆さんはそのメリットと思っている特約の保険期間が老後も有効と信じて加入されると思うのですが、それもとんだ大間違い。
仮に、健康状態左右されずにその保障が老後も確保できたとしても、保険料は老後になってからの後回しとなっていますので、その年齢のリスクで計算し直されてしまうため、実際問題、普通の方にはとても払えない保険料となってしまいます。
それでは、何のためにそれまでその特約を維持してきたのかと言うことになってしまいますが、だからこそ若い内は割安に(とはいえ10年ごとに保険料がアップしていた場合、2回目のアップあたりで払えなくなるでしょうが)手厚い保障を維持できていて、しかも何もなければ保険料のほとんどが自分に戻ってこないプランだったからこそ、そこまで保険料が払えてきたと言うことになります。
であるならば、そのおまけ特約は本当に必要だったのでしょうか。
しかも、給付が仮に若い内に発生したとしても、その給付金では一生を保障するほどの金額とはならないはずです。
もちろん、払った保険料よりは多い給付金かもしれませんが、人生を考えたうえでは、やはり給付を受け取るようなことにならない方が遙かに幸せということにはならないでしょうか。
さて、それでは、関門が一つの入院給付を厚くすればいいのでしょうか。
これがそうでもないのです。
これもまた皆さんが勘違いされていらっしゃいますが、「病気になったときに収入が減ったらどうしよう」という心配が、入院給付を厚くしたいという行動をとらせるわけですが、それにも落とし穴があるのです。
それは、入院しなければ入院給付は出ないと言うことです。
家で寝ていても出ません。
それなのに皆さんは入院給付金の額を上げさえするれば大丈夫だと思っているのです。でも、その心配は損保の「所得補償保険」の方がピッタリですよね。
入院の給付金日額は、差額ベッド代に困らないようにするのが適切です。
入院給付の保険料だって、入院しなければ一銭も戻ってこないのですから。

最後に、生命保険プランのデメリットはなかなかパンフレットに記載されていませんし、記載されているとしても小さい字で回りくどい言い回しで表現されていますので、真のデメリットは読みとれないかもしれません。
具体的に記載したいのですが、なかなか難しいので、具体的に提案書などで分からなければ、そんなときは、お気軽に相談を。メールでも受け付けています。

以上、私の独断でした。何かのご参考になれば。まあ今回はこんなところで。