<はじめに>
こちらのあらすじは、第一部の完全ネタバレとなっております。
各巻ごとに分かれておりますので、ご興味を持たれた時点で、本文に進んで頂ければ幸いです。
■ 第一巻
伝説の世界は確かに存在する。
遥か昔に、遠い未来に――
西暦二一四二年。
三人の若者が、惑星カルタスに到着した。
地球よりも高い文明を誇る星からのコンタクト。
それに応えて、地球はユーリ、テッド、ミクの三人を親善使節として送りこんだのだ。
しかし、カルタスに着いたユーリ達は、驚愕する。
その星は、まるで地球の中世さながらの世界であった。
情報を求め旅をする三人は、ある日塔の中に囚われている人物を救う。
焼け爛れた顔のその男は、自分がこの地の国、キーナスの王であると話す。
それを信じたユーリに他の二人も追随し、三人はその男、アルフリートと共に行動することを決意した。
ユーリには、特別な能力があった。
直感力。第六感。あるいは超能力。
呼び方は様々だが、危機回避能力として地球でも評価されていた力を、彼はこのカルタスでさらに進化させた。
それだけ、この星には危険が溢れていたのである。
高い知能を持った、人ではない様々な種族。
中でも、ガーダと呼ばれる者は、悪しき者として人々から忌み嫌われていた。
何より、アルフリート王が囚われていたのも、ガーダの仕業であった。
破壊を好み、不思議な魔術で何もかもを滅するガーダ。
彼は偽の王を仕立て、その上で隣国と戦争を起こそうと画策していた。
それを知ったユーリ達が、阻止すべく立ち上がる。
それは同時に、彼らが求める謎に迫る行為でもあった。
地球にコンタクトを取ってきた人間は、エルフィンという特別な種族であった。
人と同じ姿。だが、耳の先だけわずかに尖っている彼らはもう、この星にはいない。
伝説でのみ、語られている。
しかし、そのエルフィンにまつわる神秘の場所に、ガーダが現れたのだ。
もともとガーダは、人とエルフィンの間に生まれし者。
その奥に、深い謎を感じ、ユーリ達の冒険は、新たな展開を迎えるのだった。