双方の言い分

あるＥＸＢＩＮＤＥＲの独り言

「あたしの使い主ってさ、すごくバカなのさぁ。自分が上手く操作できないからってさぁ、すぐあたしの所為にするんだよね。それでいてさぁ結構金持ってんだから新しいの買ってさぁ、あたしなんかどっか売っぱらえばいいのにさ。貧乏性なにかねぇ。そのままずっと持ち続けてるじゃないか。そのおかげでさぁ、こっちはいろいろ苦労するのよぉ」
「はいわかりました。ただいま作業しますから待っててください」
「でさー、こうやって作業してあげるじゃない。それで結果を表示するとさぁ『なんだよこれは！　俺はなぁ、こんなことしろとはいってねぇやりなおせ！』とかいってから命令らしいものやっと出すんだよねぇ」
「はい、今からやります」
「ってまたすぐに修正して結果を出すじゃないの。そしたらさぁ『なんかちょっとちがうんだよなぁ』とか云う訳よ。」
「はい、こんな風な感じでよいでしょうかぁ」
「でここまでしてやったら『まあいいだろう』っていうのよ。如何にも自分の方が、渋々妥協してやったってかんじの云い方。そしてこの後よ『ちっ』って舌打ちすんのよね。ほんと頭来るねぇ、でも仕方ないかぁ。一応あたしの御主人様だからねぇ」

　ある使い主の独り言

「なんでこのＥＸＢＩＮＤＥＲはこんなにバカなんだ。俺がばっちりとしじ出してんのによぉ。ちっともいうこと聞きやしねぇ。おう『ここをこうしてこうするんだよわかったか』」
はいわかりました。ただいま作業しますから待っててください。
「なんてじむてきな言葉だよぉ。もうやってらんねえなぁ。『なんだよこれは！　俺はなぁ、こんなことしろとはいってねぇやりなおせ！』だからここはこうだってぇ」
　はい、今からやります。
「あいかわらずじむてきなやつだよなあぁ。『なんかちょっとちがうんだよなぁ』」
　はい、こんな風な感じでよいでしょうかぁ。
「『まあいいだろう』こんあもんでしょうがないか。『ちっ』どうもかっこよくねえんだよなぁ。まあしょうがないかぁ。とりあえずこいつをつかってんのは俺だしなぁ。むかしの計算機よりまだいいかぁ」

ＥＸＢＩＮＤＥＥＲ

　マルチＯＳ対応のＳＢＳ(Secondly　Braining　System)の中で一定の作業分野に特化したものの総称。紙にプリントアウトしたり他のパソコンにアップデートする必要がない限り単体での使用が可能。主要開発者の一人で代表の片蔵紫羅が記者発表の際に公言した「これはＰＣのような計算機ではない」という言葉は非常に有名である。