海の上のピアニスト 2002.8.31

「すごくよかった」との感想ばかり聞いていたんですが、実際観てみてやっぱり「よかった」です(=^^=)
内容というか演出もまったく知らなかった(お話は映画を観ていましたから知っていたんですけど)んです
市村さんとピアニストの稲本さんしか舞台上にはいない公演だとは思ってもみませんでした(笑)

舞台上には船に見立てた可動式の階段とピアノが一台
船の上で一生を終えた一人のピアニストの物語を友人であるヴァイオリニストが語る流れです

舞台上には市村さんしかいないのに、あたかも掛け合う相手がいるように感じられるんですよねぇ
このことを強く感じたのは嵐の夜に初めて『ノベェチェント』(ピアニスト)にであったシーン...
照明の感じとあいあまって、大揺れする船にこともなげに立っている姿が見えてくるようでした

それにしても市村さんの舞台は観るたびにすごいなぁって思います、いつもすぅ〜っと舞台に引き込まれてしまうんです
そして大好きだなぁって思うのは「目の表情」、怖いくらい惹かれます
市村さんの目を通して今この場で起こっている出来事が自然と伝わってくるんですもの
後は「間」が絶妙です♪
ネタばれになっちゃいますけど、ピアノの勝負(?)のシーンでおもむろにピアノに座り引くのかと思ったらジェスチャーだけ^^;
この今にも「弾くぞ!」っていう勢いに力いっぱい肩透かしを食らわされて、しっかり笑いのツボにはまってしまいました
こんなお茶目なところも大好きです(=^^=)
最後に稲本さんが戻って見事な演奏を披露されてました

ピアニストの稲本さんも素敵でした、すごく表情のある演奏されるんです
そして指の動きがとても不思議なんです、ふぁっと鍵盤にふれているようにしか見えないのにちゃんと音楽が聞こえるんです

映画を観たときから感じていましたが、幸せの基準って難しいなぁって...
彼が船のタラップを降りようとして降りることの出来なかった気持ち、理解できなくはないけどわたしには分からない気持ちなんだろうなぁって漠然と感じるんです
人は限りがあるから頑張れる、人によってその「限界」は違うんですよね
船という小さな世界が彼にとって受け容れられる限界だった
最後に「悲しまないで欲しい」といった内容のセリフを言っていました
たしかに彼にとっての「世界」が消滅するのだから、生きていくことは出来ないでしょうね
わたしも悲しいというより、しょうがないんだって気持ちのほうがわいてきましたもの

単純に楽しみつつもいろいろ考えてしまう舞台でした



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 沢木順コンサート2002 2002.10.19

観劇とは違いますけど...ミュージカルナンバーいっぱいのコンサートでしたからね
懐かしかったです、四季では《ガス・タガー》でしかお見かけしませんでしたけど他にもいろいろ演じられていましたから
そんな中からいろいろ歌ってくださいました

印象に残っているのは、CATSより【ラム・タム・タガー】
タガーはわたしが一番たくさん観た役で、大好きだったんです
久しぶりに聞けて楽しかったです

エビータより【星降る今宵に】
歌われる前におっしゃられたことは「この歌はへたに歌わないといけない」だそうです
「へた」っていうより、自分に酔った様な歌い方だと思いました
S&Dで荒川さんが歌われてたのと同じですごく懐かしくなりました

BBより【愛せぬならば】
大好きな作品で再演を切望しているんです、そしてこのナンバーは一番好きなんです
沢木さんが歌われるのは初めて聞きましたけど、やっぱり素敵ですね
あの場面が浮かんできて涙がこぼれましたもの

JCSより【スーパースター】
アンコールでも歌ってくださったんです、アンコールのときはソウルガールを募集していっしょに歌われたんです
(ほかにもメモリーでシラバブ役をオール・アイ・アスク・オプ・ユーでクリス役を舞台にあげてました)
ソウルガールでは挙手したんですけど、気づいていただけませんでしたわ^^;
この歌は一度だけ四季時代にきいたんです、忘れもしないCATSイベントのとき
飯野さんと一緒に歌われていたんですよ、懐かしかったです

タガーナンバーやスーパースターでは舞台から飛び降りて走り回るなどとてもサービスが旺盛で、楽しかったです
四季時代のお話もちょこちょこ飛び出してました
予定時間を予想通りオーバーされてましたけどとっても楽しかったです
来年も必ず見に行こうって思いましたもの



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 エレファントマン 2002.12.1

出  演  者
ジョン=メリック 藤原竜也 ケンドール夫人 小島聖
トリープス 今井朋彦 ロス、ハウ司教 小市慢太郎

とんがり頭、雑夫役ウィル
下男、公爵夫人

腹筋善之助

とんがり頭、女、スノーク
ミスサンドウィッチ
アレクサンドラ王女

湯澤幸一郎

ジョン卿、とんがり頭マネージャー
ロンドン警官、ベルギー警官

大森博 カー・ゴム院長 湯浅実

母が藤原くんが大好きなもので行くことにしたんです
でも行ってよかったです、想像以上に素敵な舞台でしたから
ところどころお話の流れが分からなくなったりしましたけど^^;
舞台はいたってシンプル、出演者も8名というこじんまりした演出でした
女性は小島さんお一人なのに、看護婦さんや貴婦人などの女性がいっぱい...もちろん男性が入れ替わりで
演じられているんですけどこれが意外とおかしくて
あと話しの節目にアリアを歌う方がいたんですけど、衣装がドレスだったこともあってずっと女性だと思っていたんですが
実は男性でびっくりしました
高音もとてもきれいに歌っておられましたから

一箇所思わず涙がこぼれてしまったところがあるんですがそれは...
メリックに最初に会いに来たケンドール夫人が話をしているうちに彼の心の豊かさに感動して帰り際、最初の予定では自由に動く左手と握手をすることになっていたのに右手を差し出したんです、それも手袋をとって。。。
初め左手を出そうとするのですけど、彼女は頑なに右手で握手をしようとする
握手を交わした後、その手を左手で包み込んで泣いている彼を見ていたとき
彼のことを受け容れたことを表現するにはあまりにもストレートで、彼の言葉では言い表せないであろう幸せがすごくよく伝わってきました
それがあまりに激しくて気づくと涙がこぼれていたんです
いろんな方が彼に会いにきますが、彼に触れることはないんです...彼は握手を求めているのに
彼女に深い想いを抱いていく気持ちが理解できるシーンでした

彼のあらゆるものを受け容れてしまう、許容の広さが周りの人々におのが心の傲慢や醜さをいやがおうなしに気づかせる
人のためにすることって結局は自己満足でしかないのだから、その人が幸せであったかどうかなんて解り得ない...
だけど悩んでしまうのはやはり人間の性なんでしょうかね
それとも純粋だから?
彼が言っていた「規則を守っていれば幸せになれる」「規則とは誰がつくるものですか」
この二つが心に引っかかりました

やっぱり「幸せ」って難しいです、人に幸せだって思ってもらうのはその何十倍も

藤原くん、思っていた以上に演技がすばらしかったです
特に表情が、ただ生きることに一生懸命だったエレファントマン見事に表現していましたから

それととんがり帽子の大森さん腹筋さん、動きだけで思いっきり笑わせていただきました



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