ハムレット 2003.6.23

行くかどうか悩んでいたんですよねぇ、なにせ終演後にうちに帰れないかもしれなかったものですから^^;
それでも観たかったし一か八かにかけて観劇してきました
帰りもかなりばたばたしちゃいましたが無事帰ること出来ました♪

前回見たのは名古屋の千秋楽以来、下村さんハムレットは東京以来ですからすごく楽しみでした
わたしは石丸さんより下村さんのハムレットのほうが好きなんです
もちろん好みの問題だと思いますが、下村さんのほうが感情の起伏が激しく狂気の演技に見え隠れする苦悩が際立っているように感じるんですねぇ
そして演じられる方が替わって気づいたこともありました...

ハムレット=下村さん
前回お見かけしたときより、狂気を演じているとき恐ろしさを感じました
オフィーリアに「尼寺へ行け!」と叫ぶところは、彼女を思って叫んでいるんだろうなぁって分かるんです
でも彼女にはうまく伝わらない、そしてここにいることも仕組まれたことだと気づいてしまって絶望に近い思いが感じられました
それとローゼンクランツたちと話しているときのちゃかし具合は相変わらずおもしろかったです

ホレイショー=味方さん
ほんっと失礼だと思うんですが、言葉に重みを感じないんです
その点早川さんはまさにはまり役でしたからねぇ^^;
さらりとしすぎていてハムレットが彼を無二の親友と頼っていたのかがいまいち納得出来ませんでした

レイアーティーズ=青山さん
この方のために観にいくこと決めたんです(^^♪
キャスティングされたときから、楽しみにしていました
予想通り素敵でしたぁ〜(*^^)v
わたしの一番は荒川さんですが、青山さんもおんなじくらいよかったんです
父を殺され、クローディアスに詰め寄るときの迫力が少し弱いかなぁって思ったくらいですね、気になったのは^^;
でも墓場でハムレットにつかみかかるところの迫力には圧倒されましたね、下村さんの勢いもすごいから見ていて怖いくらいでした

狂ったオフィーリアを見つめる姿や亡くなったと聞かされたときの愕然とした表情なんかはっとさせられました
どちらも話の途中に起こるので驚きとその後に押し寄せる悲しみが手に取るように伝わってきました、見ているこちらまでびくっとするくらいはっきりと表情が替わるんですもの

剣の試合の前ハムレットから父親を殺したことについて丁寧に謝られたときの表情の変化も好きですね
握手さえ嫌がっていたのにハムレットの真意を聞かされたとたん、闇雲に彼を殺そうと考えたことを恥また自分はクローディアスにそそのかされているんではないかと考え始めたように思えたんです
そこにレイアーティーズというおおらかな人柄がすごくよく現れていてかっこいいなぁって思ったんです
試合はハムレットに一方的に攻め立てられ、悩みながらやっている苦しい胸のうちを思うと切なくなりますね
だからこそ、なぜ休憩中に毒剣で刺したりしたんだろう...そうまで彼を追い詰めたものはなんだったのかぁって思わずにはいられません
あんなに台詞のある役でお見かけしたの初めてだと思います(^^) いっぱいお声が聞けて幸せでした

オフィーリア=坂本さん
びっくりしました
なにがって、声の質・演じ方、野村さんそっくり(@_@)
ファンの方に言わせたらきっと「どこが?」って言われちゃうかもしれませんが、わたしにはぞっとするくらい似ていたんです
唯一違うと感じたのは歌っているときですかね、出だしは似てるんですけど徐々に違うなぁって思いました
それと不思議でしょうがなかったのは歌いだすと早回しのように早口で歌われること
最初聞いたときはびっくりしました、時間が押してるのか!って思ったくらい(そんなことないでしょうけど^^;)

ハムレットにいただいたものを返そうとするとき、ポローニアスが物陰からのぞきますよね
それに気づいた彼女は慌てるんです、だからハムレットは「父親はどこにいる?」と聞くんですね
なのに彼女は「うちに」って答えてしまうんです
ハムレットのこと好きなのに父の言いつけに背くことが出来ず苦しんでいる心情が伝わってきました

ローゼンクランツ=田中さん
びっくりしました^^;
CFYを途中で抜けてしまわれたと思ったら、ハムレットに出演されていらっしゃるんですもの
次から次とお忙しい方ですね

声のトーンがちょっと高めだから浮いちゃったりしないかなぁって少し心配だったんですよ
初め聞いたときは違和感を感じましたけど、そのうち「ローゼンクランツ」って役柄にはお似合いかもって思い直しました
ギルデンスターンと彼はある意味『道化』なんですよね
明るく振舞いつつこそこそと様子を伺っているんですから...そんな雰囲気がよく現れてましたよ(^^)
彼らの存在を改めて考えさせていただきました

そのほか気になったのは右田さん、亡霊のときのお声が素敵だなぁって思いました
飯野さんのオズリックは好きですね、試合のときのなにかたくらんでるんじゃないかって表情とかが
あと男性アンサンブルで旅役者されていた方、表情が豊かですごく目を引いたんですけどお名前が分かりません
最初に出てきたとき下手にいらしたんですけど...パンフを見てもよく分からなくて^^;
次どこかでお見かけしたらわかるかなぁ?

時間を気にしながらの観劇でしたからちょっと舞台に集中できなかったのがかなり悔やまれます
もうちょっと早い時間から始めてくださったらよかったのになぁって思いました




雑ネタ(^^; 観劇中に思ったことです

・棺を入れる穴が浅いのでどうするんだろうって思ってましたするとなかから出てきた盛り土の厚さがすごく厚かったんです
常設劇場のように舞台に穴を開けられないからこういうところで嵩を調整するんですね
ちょっと感心しました(今更でしょうけど^^;)

・墓穴から髑髏を拾い出してぽいっと投げ捨てるところ、かなり遠くにほおり投げておられたのでびっくりしました
傾斜舞台ですから下に落ちちゃうんじゃないかってどきどきしながら見てましたけど、かなり転がった後無事止まりました落ちなくてよかったです(^^)

・亡霊の台詞に「懺悔をせずに殺されたため、地獄におとされた」とありますよね
キリスト教の教えに生前の悪行は懺悔すれば許されるとあるんです(ちょっとニュアンスが違うかもしれません)、これが一番理解できないところなんです
前フランス国王のように殺害されたら即地獄行きってことになっちゃうんですもの、殺される人にはそれなりの業があるって言ってしまえばそれまでですけど
だからハムレットは懺悔をしている最中のクローディアスを殺しませんよね、宗教っていうのは生活の一部だったりするので当たり前のことなんでしょうけど毎回観劇してどうにも納得できないところです...(わたしぐらいでしょうね、こんなことで悩むのは)


バック

ハムレット 2004.3.28

四季のストレートでは一番沢山見ている作品ですから今回はもういいかなぁって思っていたんですが
キャストが大きく替わっちゃいましたので「こりゃ〜一回はみなくっちゃって気になったんですよね
おもいっきり四季の思惑にはまってますわね^^;

雰囲気もなんだか違っていました、なかなか新鮮で面白かったです
演出も少し替わっていました
ポローニアスとの掛け合いで「くれてやれるのは命ぐらいだ」(こんな感じですよね、セリフ)のとき前回は剣を自分の喉下にそえていたんです
今回はこぶしで何度か強く叩いていらっしゃいました、剣は持っていなかったです
このシーン結構好きだったので変更にびっくりしました

ホレイショー=田代さん
動きが面白いなぁって思いました、なんだかちょこまかしているみたいなんですもの^^;
ただセリフが早巻きでしゃべっているようでときどき聞き取りづらくなるんですよ

ポローニアス=維田さん
ちょぉ〜っと存在が薄かったように思います
田代さん同様しゃべりが早巻きだったのが...
それとセリフに抑揚が少なく感じました、なのでちょっと感情が伝わりにくいです
なんでだろうって自分なりに考えたんですけど、言葉の出だしが低めに始まりしばらく同じ高さだと抑揚が乏しいと感じたみたいです

レイアーティーズ=青山さん
前回お見かけしたときより感情の表現が豊かになっていらっしゃいました
ポローニアスの話を聞いているときにオフィーリアと顔を見合わせ笑ったと思えば、神妙に聞き入っていたりと感情の切り替えがすごくはっきりしていました
狂ってしまった抱きしめるときの腕の動きには優しさを感じました、そして振りほどかれた後この現実をどう受け止めたらいいんだろうって悩んでいるんだろうなって伺える背中
セリフより動きに想いが感じられるのはすごいことだと思うんです
青山さんって雰囲気が優しいから「お兄さん」って役はお似合いですね
でもね、一つだけ気になったことがあるんですよ^^;
それは...どぉ〜して七三分けなんでしょう 正面から見てびっくりしちゃいました

亡霊=右田さん
声がお気に入りなんです
低めでよく響くよいお声だと思います

お名前が分からないんですが旅役者で登場時に見事なアクロバットを披露された方
あまりのすばらしさに拍手がちらほらと上がっていました
わたしのあそこまで高さがあるバクテンは初めてでびっくりしました
お顔もよく分かっていないのでパンフを見ても確認できずじまい...残念です

全体的にアンサンブルの方々の威勢がすごくよかったです
レイアーティーズを先導してなだれ込む国民の掛け声とかすっごく大きくてびっくりしました

ちょっとしか出演されない方が多いんですよ、かなり豪華な配役ですよね

最後列でも見やすくてよいですね、これでA席なのはお得だと思いました



バック