オンディーヌ 2003.11.21

オンディーヌ
野村 玲子
騎士ハンス
石丸 幹二
水界の王
日下 武史
ペルタ
坂本 里咲
ユージェニー
木村 不時子
オーギュスト
松宮 五郎
王妃イズー
末次 美紗緒
山口 嘉三
(劇団昴)
ベルトラム
深水 彰彦
侍従
広瀬 明雄
ウルリッヒ
香川 大輔
裁判官T
有馬 光貴
裁判官U
立岡 晃
マトー
田島 雅彦
詩人
青山 祐士
サランボー
重水 由紀
皿洗いの娘
大橋 伸予
男性アンサンブル
高林 幸兵
広瀬 紀彦
木内 宣輝
坪井 祐之
女性アンサンブル
佐藤 夏木
西村 麗子
ヴァネッサ・ルート
山本 貴永
大前 さおり
佐和 由梨
林 浩代
秋吉 歩
伊東 瞳
関根 麻帆
白井 久子
滝口 律子
前川 遙子
中澤 馨
井上 幸子
栗城 ひろみ
佐藤 容子

テレビ放送でしか観たことなかったのですっごく楽しみでした、それと見切れ席がどれくらい見切れるものかも気になるところだったんですよ
見切れ席についてですが、下手からだと手前はよいですけどやはり奥に行くほど見えませんね
2幕で玉座に着いた王妃さまはほとんど見えません、お話は分かるのでそれなりによい席ですね

今回一番気になっていたのは、瞳ちゃんの水の精
見る前から絶対可愛らしいだろうなぁって思ってましたけど、もう予想以上!
可愛くて可愛くて(*^_^*)
ハンスを誘うところの雰囲気はまるで傷ついた小鳥のよう
触れたら壊れてしまいそうな繊細さが水の精にぴったりです
オンディーヌにあざらしの面倒を見てあげるように言われたとき下手にいたのでよく見えなかったのが残念ですね
2幕ではどこにいるんだろうって探し回っていたら、劇中劇の水の精でした
アンサンブルだからいろんな役をするんだろうって思っていたんですよ、だけど今回はずっと水の精なんですよね
探しやすくてよかったです♪
劇中劇でもかごを持って踊るので目立ってました
瞳ちゃんって目を「ぱちぱち」ってする癖があるんですよ、それも人の話を聞くときは特に
それがとぉ〜っても可愛くて大好きですね
余談ですが、3幕でオンディーヌを迎えに来たときのせりふ「さぁ、いきましょ〜」がマコにかぶって見えてしまいました
瞳ちゃんがマコ演じても可愛らしいだろうなぁ・・・

もう一方気になっていたのは青山さんの詩人
どんな役だったのかまったく思い出せなかったんですよ^^;
出ていらしたらすぐ分かりましたが、わたしが想像していた衣装と違っていてちょっとびっくりしました
えぇ〜っと、けっこう天然?な役ですよね(笑)
オンディーヌとの会話を淡々とこなしてるところとか素敵でした
宮廷のシーンしか出番ってないのかなぁって思っていたら、3幕では召使ででていらっしゃいました
久しぶりにいっぱい・いっぱいおしゃべりしている青山さんが見られてよかったです
なにせわたしは青山さんの声大好きなんですもん

舞台のほうは忘れているシーンが多くて...トロイの木馬や火山にはびっくり
あれくらい大掛かりなシーンなら忘れそうにないんですけどねぇ^^; やはり生で見たほうが記憶に残るんですね
それとビーナスの登場もね、麗子さんきれいでしたねぇ
それにしてももうちょっとリアルな張りぼて作ればいいのに...

女性のアンサンブルは台詞のある方はなんとなく分かりますけど、ほとんどが何をされてるのやら
ハンスを誘う佐和さんや大前さん、林さんなんかはまだよいんですけどね
あと最初にハンスを誘っているのは麗子さん?
男性はもっとよく分からないです、高林さんもいらっしゃったんですよね全然分かりませんでした^^;

最後になっちゃいましたけど玲子さんのオンディーヌ、とっても可愛らしかったです
ただね、『水の精』には見えなかったんですよ
「15歳」っていうのは納得できましたけど、う〜んなんでだろう
石丸さんのハンスも騎士様って雰囲気たっぷりでよかったです
だけどホントにオンディーヌのこと愛してたのかなぁって思いました
2幕で宮廷作法を覚えようとしない彼女に対してイライラが募っているのは分かるんですが
あまりに冷たい気がするんです
ベルタの台詞じゃありませんがものめずらしさだけで彼女を選んだんだろうって思うんです
3幕で必死で話しかけるオンディーヌに対しても言葉にするほどの愛情はわたしには感じられませんでした
オンディーヌは間違いなくハンスを愛していた、でもハンスにはそれに答える器量はなかった
そういうお話だからこれでもかまわないのでしょうがなんだか物足りなく感じてしまうんです...なんででしょう?



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ひかりごけ 2003.12.23

船長
日下 武史
西川
望月 龍平
八蔵
神保 幸由
五助
高橋 征郎
(劇団民藝)
【二幕 声の出演】
裁判長
松宮 五郎
検事
広瀬 明雄
弁護士
立岡 晃
 

前から再演を切望していた作品でしたから、観劇できてほんとよかったです
原作を読んだことはありませんけど話の内容は大体知っていました
仲間を食べてまで生き残った船長の「生きる」ということにはどんな意味があったんだろう、それをどう演じているのだろう
観劇前からいろいろ想像が膨らんでいました

一幕は生き残った四人のそれぞれの葛藤
この中で八蔵が西川に語った話、これが一番恐ろしかったです
「船長は計算している」
あの状況下ではそう考えても不思議ではないでしょう
事実は当人にしか分からないし、想像しだすと恐怖でしかない...
思い込みって言ってしまえばそれまでですけどね
そしてその船長と二人きりになってしまう西川にこんな話をする八蔵はどんな気持ちだったんだろう
生き延びる彼を羨んでか、それとも罪を犯すことなく死んでゆくことの自慢なのか
どちらにしても最後にこんな話をして消えてゆく彼のやり方にも恐怖を感じました

そして二幕
薄暗かった舞台が一転して白一色にかわり、壁には無数の仮面が
人肉を食べたことへの裁判がおこなわれますが、不思議なやりとりが続くんです
船長のいった「我慢しています」の意味
どう解釈したらよいのかいろいろ考えたんです
一幕ではこれといって船長の心情が語られていないんですよね
あの状況をいかに生き抜くか、それには食人の罪を犯さなければいけないのか
など...
過酷の状況は『辛い』という表現のほうがしっくりくるのになぁって思ったりもしましたけど
そして我慢しているということの意味を説明されたとき、なんとなく分かったような気がしました
言葉で表現するのは難しいんですけど、あえていうなら大分の方言に『むげねぇ』という言葉があります
これかなぁ
最後に仮面がすべて緑になったのは現代を生きるわたしたちの方が他人を傷つけ
『人を食べる』という行為以上の残酷なことを行っているってことを暗示させているんでしょうね
なんとなく分かる気がします



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アンドロマック 2004.1.10

アンドロマック
野村 玲子
ピュリス
下村 尊則
エルミオーヌ
坂本 里咲
オレスト
芝 清道
ピラド
広瀬 明雄
クレオーヌ
末次 美紗緒
セフィーズ
丹 靖子
フェニックス
武見 龍磨
兵  士
鈴木 孝紀
渡邊 今人
奈良坂 紀
古野 健

お話の内容がお昼の連続ドラマ濃縮版って感じですね^^;
なにより「すごい!」って感じたのはエルミオーヌの台詞でしょう、名言ぞろい
オレストがピュリスを殺してきたと伝えたとき
   「殺せなど言っていない、たわいもない嘘だとなぜ気づかなかったか」(こんな感じの台詞がありましたよね)
これには「おいおい^^;」って思いましたね
愕然とするオレストに思いっきり同情しましたもの
彼女の気持ちは分からなくはないです、自分も同じ立場なら言いかねないですもん
しかし観ていると気持ちのよいものではないですね、ちょっと呆れてしまいます
恋に狂った女は醜いとはよく言ったものです
でも可愛らしいなぁって思うのはやっぱり女だからでしょうか(^^)
とってもリアルにひどい女を演じる里咲さんはすごいですね、あと色白の方だから薄い色のドレス似合いますね
特に黄色はお似合いだと思いました

芝さんのストレートご出演は今回初めて観ましたけど、よかったです
最後に気がふれてしまうところはJCSのユダを思い出しました、どこを見ているか分からない演技は鬼気迫るものがあってすごいと思うんです

席が下手よりでここは面白いって聞かされてました、なにが面白いんだろうって思っていたら始まってすぐに分かりました
下村さんが座るたびに中が見えちゃうんですもん^^;
もちろん見えることがわかっているので衣装だと理解はしていてもねぇ...
綺麗な意匠が施されてましたねってちゃんと見てしまってるんですわたし(笑)

タイトルロールのアンドロマック、あんまり出ないんですね^^;
エルミオーヌが強烈で存在が薄いというか...
でも最後に思うとおりになっちゃってるのがすごいというか
母は強かったっていうことなんでしょうかね

この話は一日で終わるんですよね、照明がちゃんと下手から上手へ明かりの色も替わっていました
一番最初にセンター奥で火の手が上がるのはトロイの戦ってこと
最初意味が分からなくて後で聞いて納得、ますます濃縮版だぁって思いましたわ

正直言うとけっこう退屈なところがありました、また観たいかって言われるとちょっと考えますね



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思い出を売る男 2004.1.30 2.14

思い出を売る男
石丸 幹二
広告屋
下村 尊則
GIの青年
田邊 真也
乞食
日下 武史
黒マスクのジョオ
芝 清道
 
 
花売娘
伊東 瞳
街の女
西田 有希
(俳優座)
恋人ジェニイ
五東 由衣
シルエットの女
戸田 真美
アンサンブル(紳士・酔漢・与太者・警官)
立岡 晃
松宮 五郎
高林 幸兵
神保 幸由
前田 貞一郎
 
   

めずらしく2公演観てしまいました^^;
発売時のあまりの売れ行きにびっくりして勢いで取ってしまったんですが、とってよかったです
席も上手と下手それぞれから観ることが出来ましたし♪
上演時間は短いけれど休憩なしはきついかなぁって思っていたんですがそんなことまったく感じませんでした
あっという間に終わっちゃう感じですね

瞳ちゃん出てるし、アンサンブルはご〜かだしよかったですねぇ^^;
私にとってはここが最大の観劇ポイントで楽しみでしたから

花売娘=瞳ちゃん
すっごく可愛らしかったです、戦後のすさんだ街角で元気いっぱい生きている雰囲気がよく伝わってきました
屈託のない表情や無邪気さなんか子供の役を演じさせたら右に出るものはないんじゃないでしょうか

街の女=西田さん
生活に疲れきった雰囲気がよかったです
ぽつりぽつりと語るしゃべり口とか最近の四季の女優さんには見ないですね、だから客演を呼んだんでしょうね
回想のシルエットに出てくる男性が芝さんであることに気づいたのは2回目の観劇でした

広告屋=下村さん
出てきた瞬間から笑わせていただきました
次から次に披露される仕掛けもさることながらやっぱり語り口が面白いです
間とか演技が絶妙なんですもん(笑)

GIの青年=田邊さん
恋人ジェニイ=五東さん

客席から出てきたときどこのあんちゃんだって思いましたわ^^;
サングラスを取って初めて分かりました
雰囲気はすっごくよいと思うんですけど、やっぱり英語話すとちょっとねぇ...
聞く側としては分かりやすくってよいからよいのでしょう、きっと
それにしてもこの方の思い出はなぜフルカラーなんでしょう
過去の思い出ではないからでしょうか?ちょっとびっくりしました

乞食=日下さん
面白いですね(^^)
「乞食」という職業?を心底楽しんでるんだろうなぁって思いました
話を聞いているとこの方の考え方のほうが正しいのかもって思っちゃいます

黒マスクのジョオ=芝さん
最初、サックス吹いているのかと思ってびっくりしました
そっけない仕草とカーテンコールで手回しオルゴールを回しながら街の女と目配せするところはよかったです
でもストーリー中ではいまいち良さが分かりませんでした^^;

松宮さん・立岡さん
酔っ払い役でしたけど、お二人とも可愛らしいです!
松宮さんのぽっつりぽっつりとした話し方、立岡さんのしゃきしゃきしてるようで一方的なまくし立て
長い役者生活で培われたものでしょうね
お二人がいるところだけほわんとあったかですっごく幸せな気分になるんですよ
薄暗い背景にすんなりはまってますもん
ものすごぉ〜く素敵な時間をいただきました

戦後10年以内くらいの設定なんでしょうかね?
少なくても人々が音楽を聞いたりする余裕が出来てるようですから、それなりに生活も安定し始めているってことかなぁって思いますけど
パンフには作品が発表された1951年(戦後6年)をたとえにとって場面説明されてますから大体この辺ってことでしょうね
荒廃の中から人々が必死に生きていた時代
一度も体験したことありませんけどなぜだか「懐かしい」って思ってしまうんですよね
純粋に「生きること」にひたむきだから?
あの時代に生きてみたいとは思いませんけど、あの場所でわたしも「思い出」買ってみたいです
どんな思い出が現れるのかすっごく興味ありますから(笑)



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