ぼく

ぼくはぼくのからだをふたつにわった

おおきなナイフで
むねのまんなかにふかぶかとやいばをつきたてて
そしてりょうてでむねをひきさく
ばりばりばり

なにがあるかな
ぼくのなかにはなにがあるかな

おおきなかがみのまえで
ぼくはぼくにぼくのなかみをさらけだす
ふたつにわったぼくのなかみを

かがみにうつったぼく
そこにいたのはからっぽのぼく

くうどう
がらんどう
そこにはなにもなかった
なにもなかった

ひんやりとしたかぜがぼくのなかをふきすぎる

ぼくはないた
かなしかった
とてもかなしかった
からっぽのぼく
さびしいぼく

ないてないてぼくはひからびた
かさかさになった
かみのようにかさかさになった
ひんやりとしたかぜがまたぼくをなでる

そしてぼくはちりになった

ちりになっていなくなった

いなくなった