奈落へ

隣のばばあがうるさいと言うから
うちのばばあの可愛がってた猫を殺した

猫を殺したとうるさいので
ねたきりのばばあの首を絞めた

猫とばばあが夜な夜な恨めしそうに出てくるので
ばばあと二人住んでいたアパートを燃やした

みんな死んだ
隣のばばあも死んだ

死んだやつらがぞろぞろと
骨になってついてくる

あまり鬱陶しかったので
俺はビルの屋上から飛び降りた

ざまあみろ
俺はひしゃげたからだでけたけたと笑った

ふと横を見れば
ばばあも大口を開けて笑っている

猫も隣のばばあも見知らぬ無数の白骨も
俺を囲んできしきしと骨を軋ませて笑っている

声無き嘲笑が
俺をもう一度突き落とした


奈落へ