表11-1:江戸時代の金1両の実質価値
(1)1両で買えた米の量 江戸時代の金と米との換算には金1両=1石がよく使われますが、幕末期には物価が高騰し、文久3年には江戸で金1両=約0.4石(約4斗)、慶応3年末には大坂で金1両=約0.086石(当時の相場の1石=銀700匁=金11両3分から計算)*と購買能力は10分の1以下になっていました。江戸時代は一人当たり1日5合消費していたといいますので、幕末前は1両で一人当たり200日分の米が買えたのが、文久3年には80日分、慶応3年末には約17日分にしかならなかった計算になります。 (2)金1両、現在のお金にすると? 金1両を現在の価値に正確に換算することは、不可能だといわれていますが、米価で推し量る方法がとられることがあります。幕末では米価は高騰し、金の実質価値は下がっていますので、現在のお金に換算した価値も下がり続けることになります。試しに、平成14年度の自主流通米の全国銘柄平均価格(約16,000円/60キロ)を基に現在のお金に換算すると、江戸時代後期までは金1両=約40,000円だったのが、文久3年には金1両=16,000円(江戸)、慶応3年末には金1両=3,440円(大坂)になります。(この計算方法はまったく自己流なのであくまでご参考までに^^;)。ちなみに、よくみかける金1両=60,000円(根拠は不明)で計算すると、文久3年では24,000円、慶応3年末には約5,000円になります。現在、デフレ状態なので、金1両=60,000円の方がいいのかも・・・? *1両=60匁の公定レートで計算。幕末の市場レートは1両=150匁だったいうが、『会津藩の崩壊』をはじめ、いくつかの書籍をみると幕末期も1両=60匁で計算していたため。1両=150匁で計算すると、1石=金4両3分となり、金1両では約0.21石が買えたことになる。この場合、1両は約1万円になる。 |
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