ユカタンの首都メリダ・・・コロニアル風です^^
左:調査地域のセレストン(町の中心部が広場になっている)
右:観光ボート船着き場みやげもの売りのセニョーラたち
セレストン =古代マヤ語で「塗られた、魔法にかけられた、あるいはカラフルな石」という意味だそう^^。 |
リア・セレストン保護区内最大のコミュニティ、セレストンはセレストン郡の唯一のコミュニティであり、同郡郡庁所在地。主要経済活動は、第一に漁業であり、次に伝統的製塩及び観光(エコ・ツーリズム)である。製塩や観光を専業としている住民は少なく、多くは漁業との兼業である。これらはいずれも保護区内の自然資源を利用した活動である^^。 <位置・アクセス> セレストンはユカタン州の州都メリダ市から約98キロの距離の沿岸部の海岸と入江の間に位置する。一時間に1回バスが運行しており、入江部分には全長100メートルのコンクリート橋が架かっているので、雨季でも車両によるアクセスが可能である。一番近いチュンチュクミルからも約50キロ離れていて孤立した町である。 <人口> ユカタン州の統計(2001年)によれば2000年4月現在で、セレストン郡の人口は6,077人(男3,106、女2,971)である。家屋は1,457戸存在し、一戸あたりの平均人口は4.17名である。また、90年の国勢調査によれば、総人口4,506人のうち過半数を超える約57%が70年代以降の移住者であった。近年は、定住人口の移入は減少しているが、地引網漁、タコ漁、及び製塩業への出稼ぎを目的として、一時的にセレストンに滞在する人口が増えているという。 <教育> 1997年の保健省調査によれば、小学校を卒業した成人は全体の4割弱に過ぎないが、識字率は91%である。郡庁には公立図書館が設置されており、文化センターも存在する。 <保健・衛生> セレストンには保健センターが存在し、合計9名のスタッフが基礎的サービスを提供している。セレストンでよくみられる病気は、下痢・寄生虫病、風邪・性病などの感染症、デング熱などの伝染病である。ほかに、糖尿病、アルコール・ドラッグ依存症がみられる。1997年にはコレラ患者が発見された。 飲料水の水源は市街から内陸部へ約12キロの地点にある水源からとられており、保護区管理事務所によれば、1997年現在、93%が屋内外に水道を備えている。残りの世帯には、水道局のパイプから家屋までチューブを引いて盗水をしているケースもある。 トイレは、97年現在、世帯の約50%にしか普及しておらず、41%は野外で用を足している。市営のゴミ集積所1ヶ所が設置されているが、ゴミ収集車が一台しかなく、全世帯をまわりきれない。住民NGO、MUCEMメンバーによれば、収集料金として一週間に15ペソ徴収するので、住民側も積極的に利用しようという意識に欠けるという。世帯の52%が家庭ゴミを湿原や塩田び埋め立てに利用し、そこに家屋を建設している。湿原部へのし尿や固形廃棄物の堆積はセレストン郡の社会問題であるとともに保護区の汚染をもたらしている。 <電気・調理用燃料> セレストンでは91年に電気が開通し、総世帯の96%(保健省、97年)に電気が普及している。調理用燃料としては42%が薪を利用している。薪材は主として男性が森林から枯れ枝を採取してくるが、薪売りから購入する場合もある。保護区管理事務所によれば、薪材採取のマングローブ林減少への影響はほとんどないという。 |