ヤギの放牧



(タミル・ナドゥ州の農村にて:10/5/99)


インドの農村ではよくヤギの放牧を見かけます。
ヤギは貧しい人の家畜といわれています。
土地無し貧農の中にはヤギの飼育で生計を立てている人がいます。
お金持ちのヤギを預かって生計を立てている人もいます。
ヤギは、彼らにとって、とても大事な収入源なのです。

このヤギは、草も食べますが、木の葉や芽も食べます。背伸びして届く範囲の緑を食べます。食べ尽くしてしまうといってもよいと言われます。
ヤギは道端の草や木の葉も食べますが、山の中にも入っていきます。
このヤギの食害が森林の再生にとってはネックとなっています。

でも、森の再生のために放牧を禁止したりすれば、ヤギの放牧で生計を立てている貧しい人が影響を受けてしまいます。
禁止にしても、生活のために山に入ってくるヤギ飼いたちの方もいるでしょうし、禁止を強制執行すれば彼らは収入源を失うことになります。

プロジェクトで、補償として、なにか収入源を創出しようと考えています(これを代替所得源創出といいます)。また、ヤギの代わりに乳牛を飼ってもらったり(ヤギと違って悪食ではないので)、放牧のかわりに舎飼いを進めたりしようとも考えています。


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