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2−2むらさき

by  三樹三郎の孫 鈴木巌氏

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お須磨おばあさんは私の祖父忠良(管理人注:三樹三郎)の妹に当る人で長子甲子太郎を頭に末子である。田村家へ嫁いで私の妻の祖母である。やせぎすで背がすらりとしており、張りのある目と比較的長目の鼻、口元のしまった美しい人であったようだ(家内の母親つまり須磨の娘である人からの話)。甲子太郎おじいさんからは特別に可愛がられていた。そして、甲子太郎おじいさんが江戸へ行く時、又は京都へ出掛るときは、きまってお土産は何がいいんだ、何んでも好きなものを買って来てやるといはれていたようであった。そして帰って来たときは必ず約束のものを買って来た。唯買って来るものは半えりであらうと着るものであらふと皆紫色のものばかりであった。甲子太郎おじいさんはむらさき色が非常に好きな色だったにちがいない。それ以来お須磨おばあさんは、いつになっても紫色を好むようになって、むらさき色のものを必ず身につけていた。甲子太郎おぢいさんは、半面、母親を非常に大切にすると同時に兄弟思ひでもあったようであった。

(2004.8.4)


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